第一章
プレゼント
第1話
ハナside
"ハナ"
という名は大好きな大好きなレオが付けてくれた。
ハナはこの名前も大大大大好きだっ。
なのにっ。
「やーい、ハナクソーッ!!」
『…………』
教会って所に来て1ヶ月たった。
レオとトラと一緒に居れてとても幸せだけど……。
教会にはハナやトラと同じくらいの子達もたくさん居て……。
その子達がこうして、ハナの名前を弄っては嗤うんだ。
レオが付けてくれた大切な名前を。
レオとトラはお仕事ってのに行くようになって、そこにハナは着いて行けなくて教会でいつもお留守番。
二人がお仕事に行く時はいつも約束するの。
"ハナが凄い力を持ってるのは皆には内緒だ。バレると一緒に居られなくなるからな"
ハナには不思議な力があるんだって。
使い方がわからないから使ったことはないし、二人と居られなくなるのは絶対に絶対に嫌だから、何があっても使わないって決めてるけど。
我慢してるけど……。
「汚いんだよっ。ハナクソーーッ!!」
「ハナクソーーッ!!」
『…………』
ハナにもね、ハナにも……
我慢の限界ってものがあるんだよっ!!
「ハナク……」
『違ーーーーーう!!ハナはハナクソなんて名前じゃなーい!!』
「わぁあっ!?」
「ハナクソが怒ったー!!」
ハナは奴らに飛びかかった。
「「「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!??」」」
大騒ぎになる。
一人の髪の毛を鷲掴みにして振り回し、一人の頬をビンタしまくる。
止めに入ってきた奴には蹴りを放つ。
「ちょっと、あんた達っっ、何してんだいっっ!!」
「シスターッ!!」
「ハナちゃんがっっ」
「離せーっっ!!ハナクソーーッ!!」
『ハナはハナクソじゃない!!』
「止めないかーっ!!」
シスターに捕まる。
「ハナッ!!」
「ハナは悪くないっ!!」
「ハナッ!!」
シスターの手を振りほどいてハナは走って教会を飛び出した。
ハナは悪くないっ!!
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