気の向くままの二十句

カニカマもどき

気の向くままの二十句

朝の陽に

うっすら透ける

干し大根


滝行と

座禅の後に

フェンシング


あの雲に

わさび醤油を

ちょんと付け


燦然さんぜん

光輝く

君のアレ


波の間に

浮いては沈む

毛羽毛現けうけげん


カピバラの

香りをまと

街を行く


猫舌を

ひたすら隠し

四十年


じっくりと

とろ火で煮込んだ

まけんグミ


入り組んだ

迷路のような

貸本屋


念のため

コートに忍ばす

ハンドベル


よもやだな

君とサイゼで

会おうとは


あのときの

バリトンボイスを

もう一度


行きたいな

最北端の

おにぎり店


お手元の

鹿せんべいに

回答を


梅干しと

利尻昆布と

朧月おぼろづき


街灯の

下に佇むたたずむ

オオアリクイ


在りし日の

貴方のような

鶏そぼろ


あの陰に

潜んでいるよ

ランボーが


河童かっぱかな

河童じゃないよ

モヘンジョ=ダロ


あのハトは

遥か未来の

私かな


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気の向くままの二十句 カニカマもどき @wasabi014

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