第226話

ハイネside



なんてっ


なんてことを言うんだ、アリスさぁあああんっ!!



あたしはブランコに乗りながら心の中で絶叫した。



あっ、アリスさんってのは別嬪さんのお名前。



教えてもらった!!



不思議で可愛いお名前は、この人にピッタリだと思う。



あれから、飲み物を買ってこの公園に来たあたし達。




ブランコに乗りながら、色々と話をした。



互いの家族のこととか。



そして、“迎えを呼んだる”と言ってくれたから八雲さんの電話番号を教えた。



だけどっ




“5分で来い”、だなんて!!



迷子になったあたしがいけないのに、そんな急がせるようなっ。



しかも




“来れなかったら、あたしが貰ってやるよ” とな!?




「アリスさんっ」




どういうことなのか聞こうとした時




ウォオオンッ!!




「!!」




この音!!



聞き覚えのあるこの音は八雲さんのっっ。




「ほう」




その音を聞いて、あたしな表情を見てアリスさんが満足そうに笑う。




「迎えが来たようやから、あたしは行くわ」



「えっ!?」




もう!?



八雲さんに会わせたいのにっ。




「いつでも会える」




クシャクシャッと頭を撫でられる。




「アンタは、もうあたしの妹みたいなもんやから」



「アリスさん」



「なんかあったら電話してき。すぐ駆けつけたる」




そう言ってアリスさんはレシートの裏に携帯番号を書いて渡してくれた。



わぁあっ、嬉しい!!




「今日は本当にありがとうございました!!」



「兄弟と“シャーウッド”にも行くから」



「待ってます!!」




あたし達はオデコを合わせ笑いあった。



新しく出来たお姉ちゃん。





「ありがとーー!!」




見えなくなるまでアリスさんを見送っていると、1台のバイクが凄い勢いで公園に入ってきた。





「ハイネ!!」



「八雲さん!!」





すぐさまバイクに駆け寄れば、バイクから降りた八雲さんに抱きしめられた!!




ほーーーっ!?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る