第225話

八雲side



何処にいる!?ハイネ!!




まだ出逢って日が浅い俺達。



だからハイネの行動範囲が掴みきれていない。



わからないっっ。




クソッ!!




「アイツ……」




手分けして捜していた竜ちゃん、桂、蓮、麻也…そして俺。



一度集まるも、誰もハイネを見つけられずにいた。




「かくれんぼの天才か……イッテェッ!?」




アホなことを言う竜ちゃんを殴る。


全力で。




「ややややややっくんっ」



「ちょっとしたジョークだったのに……」



「竜ちゃん、今のはダメだわ」



「ジョーク言ってる場合かっ」




麻也が俺を宥めに来て、桂が竜ちゃんの肩を叩き、蓮は竜ちゃんの胸ぐらを掴み激しく揺さぶる。




……俺達は全く違う場所を捜しているのか?



ハイネ……




〜♪〜♪




「「「「「!!??」」」」」




突然、俺のケータイが鳴る。



ハイネ!?



すぐケータイを見るも知らない番号。



ハイネなら公衆電話を使う。



……いや、誰かから電話を借りてかけてきてるのか!?




「やっくんっ!!」



「チビネか!?」




皆が寄ってくる。



俺は電話に出




「ハイッ」



『遅い』



「!?」




ケータイから流れてきた声は、ハイネのものではなく全く知らない少しハスキーな女の声だった。




「誰だ」




こんな時に……っ。



イライラで俺の声も低くなり、場の空気が一気に緊迫する。




『誰だとは失礼やな。アンタの大事な“姫”さんを預かっとるっちゅーのに』



「!!」



『今から言うところに5分で来い。来れないなら、姫はそのままあたしが貰っていくわ』



「ふざけんなっっ!!」



『ふざけてへん。いいか……』




場所が告げられ、電話が切られる。




ハイネッ!!




俺はすぐさまバイクに飛び乗り発進させた。




「うぉおおいっっ」



「やっくん!?」



「八雲テメェッ!!」



「チビ助が居る場所を言ってから行けっっ」





皆の声が遠くなる。




誰だか知らねぇが、止めろっっ!!



俺の宝物を連れて行くなーーーーーーっ!!

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