第219話

八雲がここまで取り乱すとは。




「やっくん、落ち着いて」



「八雲」



「凛さんが悪い訳じゃないだろ、ちょっと」



「うるせぇっ!!」



「「「「っっ」」」」




落ち着かせようと声を掛けた麻也、蓮、桂を怒鳴って黙らせる八雲。



さすがの凛さんもその怒声に肩を震わせた。




「なんで1人でなんてっっ」



「それは」



「八雲」




15才の女の子が1人で買い物なんてよくあることだろうが。



……全く。


恋は人を狂わすって言うが……言うよな??



まさかコイツがねぇ……。



良いと思うぞ。



俺達以外に関心を持たなかったお前が、他に、しかも女の子に心を動かされるのは。



だが


















ゴンゴンゴーンッ!!



「ーーっっ!!」




電光石火、俺は八雲の頭に拳骨を3発くらわす。



八つ当たりはダメだろ。



それにこんなことを知ったら、お前のことも凛さんのことも大好きなチビが悲しむだろうが。



何しやがる、と睨んでくる八雲の瞳を見て言う。







「冷静になれ。凛さんを責めてもチビは帰ってこん。わかってんだろ」

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