第5話:待望のセックスできるようになったけど・・・。

「ネルさんを連れて帰っていいよ・・・ネルさんの正式はオーナーは君にして

おいたから・・・」


だから今、俺のアパートにいるネルはちゃんと実体化して肉体を持っている。


「セックス〜、セックス〜・・・トッキーセックスしようよ〜」


ってネルはセックスができるって喜んだ。

だけど最初っから喜びと快感が得られるわけじゃなかった。

セクサロイドでも最初は人間の女性と同じでエクスタシーは感じないらしい。


「トッキー・・・なにも感じない」


ってネルに言われた・・・そんなこと言われたって・・・。

俺のせいじゃないし・・・。


「回数をこなしたら、そのうちそう言う体になってくから・・・」


って誤魔化した。

まあ、それでもネルは俺とひとつになれたことを喜んだ。


もとはホログラムだったけどネルは実体化してより人間っぽくなった。

以前は通り抜けていたタンスやテーブルも実体化したことで普通にブチあたるし、

つまずくし、天袋で頭は打つし、よくコケそうになるしでドジで間抜けで天然。

がより目立ってきた。


料理も作れるようになってよかった〜って思ってたら何枚、皿を割ったんだろう?


喜怒哀楽もちゃんとあるから泣いたりスネたりする、だから俺を困らせて、

笑わせてくれる。

ただ人間の女性みたいにヒステリックになったり激怒したりはしないから

いい。

たぶんロボットに三原則があるようにネルもそうプログラムされてるんだろう。


そんな訳でセクサロイドのネルを俺はどっぷり愛しちゃってる。

ネルも俺を愛してる。

まさにベストカップル。


なんだけど義体を手に入れたことでネルからクレームを言われることもある。

でなんてクレームかって言うと・・・。


「おっぱいが大きすぎる・・・重いし、邪魔だし・・・」


って言われる。

ホログラムだった時はそんな感覚なかったもんな。

実体化したらたちまち重力って物理的障害が発生する。


「な、こと言ったって、それって贅沢ってもんだよ」

「貧乳で悩んでる人もいるんだよ」

「欲しいものほど手に入らずって言うだろ?」


「欲しい訳じゃないです」

「モノにはほどほどってもんがあるでしょ?」


「んなこと言われたって・・・じゃ〜ほどよい大きさのおっぱいの義体に

交換するしかないじゃん」

「だけど金銭的にそんな余裕ないよ・・・ローンだって残ってるし」

「かと言ってホログラムに戻りたくないだろ?」


「だって・・・、足元だって見えないし・・・いっそ、おっぱいモギ取っちゃ

おうかな・・・どうせ作り物だし・・・」


「なに言ってんの・・・そんなことしたら俺の楽しみがなくなっちゃうだろ?」

「あのさ、おっぱい大きいほうが乳ガンチエックの時、便利なんだってよ」


「それはちょっと違うと思うけど・・・」

「だって、私人間じゃないから・・・乳ガンになんてならないもん」

「チェックなんてしないもん」


「そうかもしれないけどガイノイドの体だって人工とは言え細胞でできてる

し、常時再生活性化してるんだから乳ガンにならないなんて言えないだろ?」


「だから、ならないってば!!」

「なんか私のおっぱいが大きい問題を乳ガンで誤魔化そうとしてる?」


「いやいや、彼氏として心配してるだけ・・・」


つづく。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る