第4話:ホログラムの義体化。
「じゃ〜こうしないかね・・・報酬もそうだが、君にガイノイドを一体提供する
ってのは?」
「まじですか?・・・またなんで?」
「先ほどのお二人の話を聞いていたらネルさんはホログラムゆえにセックスが
できないってことがネックになってるようだが・・・」
「あはは、恥ずかしい・・・でもそれは最初っからネルを買うとき分かってた
ことだから・・・」
「それに新しいガイノイドもらってもネルじゃないですからね、今更だし
それにガイノイドなんか俺んちに来たらネルがスネると困るし・・・」
「それじゃ〜ネルさんそのもののデータと容姿をガイノイドにしてしまえば
よかろう?」
「もともとはAIなんだからデータだけコピーさせてもらったら、それは可能だ」
「考えてみたまえ、ネルちゃんに触れることができるようになるんだよ」
「あ、そうですね、それはいいな・・・そう言う方法があるんだ・・・ネルが
実体化するのか・・・」
「どうかね、私のボディーガード引き受けてくれるかね、悪い話じゃなかろう?」
ってことで実体化したネルが欲しいがために、俺は神谷さんのボディーガードを
引き受けた。
何度か怪しいやつに狙われて襲われそうになったが、それでもなんとか切り抜けた。
俺も神谷さんも怪我ひとつなくなんとか切り抜けていた。
そうこうしてるうちに、トラブっていたクライアントと話がついたらしく神谷さん
はもう狙われることがなくなった。
だから俺はボディーガードから解放された。
で、約束どおり神谷さんの勧めでネルをガイノイドに義体化することになった。
半信半疑だったけど、とりあえずネルのデータをA.Cに提供した。
もしネルが体を持ったら触れることができるし料理だって掃除だって
洗濯だってしてもらえる・・・だけど?・・・肝心のセックスは?
そこばっか強調してるみたいで恥ずかしかったが、神谷さんに聞いてみた。
表面上はガイノイドだけど、実際、ネルの新しい体はセクサロイドなんだそうだ。
それもホールのない最新版。
よかった・・・セックスできるできないは大きな問題だからな・・・。
そして一週間後、神谷さんから連絡が入ったから俺はウハウハでネルを引き取りに行った。
早く会いたかったからだ。
改めて義体化したネルに対面・・・うん、それはもうネルそのものだった。
体を持ったネルは俺を見て近寄って来るなりハグした。
「トッキーに触れることができるよ・・・トッキー私、嬉しい」
「俺も・・・なんかこれで、まじで俺の彼女になったみたいな気がする」
「触れ合えるってこんなに素敵なことだったんだな」
「月並君、どうかね満足してもらえたかな?」
「満足どころか夢みたいですよ・・・ありがとうございました」
「ネルさんを連れて帰っていいよ・・・ネルさんの正式なオーナーは君にして
おいたから・・・」
だから今、俺のアパートにいるネルはちゃんと実体化して肉体を持っている。
つづく。
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