第46話

「必ず、お前は“俺達”が幸せにしてやるからな」


「……ふぁあ」


「!!おおっ、まかせとけ!!」



声を上げた光愛。


きちんと会話をしている。


ようにできます聞こえ面白くて、おもわず声を出して笑ってしまいそうになるアリス。



手で口を押さえて我慢する。



“俺達”



その言葉がアリスは嬉しかった。


昔を思い出す。



『アリス』


『うん?』


『俺は、俺の家族になってくれたコイツらを幸せにしてやりたい』



昔からそう言っていた。


変わらない。


変わらないのだ、剛は。


その中に自分が入ってないところも。


だから



「そんなアンタはあたしが幸せにしてやるよ」



誰に言うでもなく改めて誓ったアリスは、剛と代わることは止め、皆の元へ戻った。



「アリスちゃん」


「行こか」


「剛くんは良いの?」



下で待っていてくれた皆と合流すると、正義が聞いてくる。



「楽しそうにしとったから」



微笑んだアリスはその1時間後には、たくさんのお土産を買って剛の元へ戻るのだった。



「ただいま」


「おかえり」


「っっ」



不覚にもそんなやり取りと彼の笑顔に、自分が幸せを感じてしまったアリス。



「どうした?」


「……ムカつく」


「??」

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