第37話
しかし空港までとなると車が必要になるわけで……
剛とアリスはレンタカー屋に来ていた。
そういえば、と剛が口を開く。
「お前、免許持ってんのか?」
「フッ。何を言いよんのや、剛」
アリスがニヒルに笑う。
レンタカー屋の店員(男)がその微笑みに見惚れている。
「いや、普通のことを聞いただけだが?」
そんな店員をスルー、必要事項を書きながら剛が言うと
「持っとる!!F1ドライバーも真っ青なドラテクのアリスとはあたしのことよ!!」
そう言ってババーンッと胸を張るアリス。
目を輝かせて手を叩きまくる店員。
「そうか」
ドスッ!!
「しっかり聞け!!」
「ぐぇえっ」
アリスが後ろから剛の首に抱きつく。
その際、ちゃっかり首を絞めることを忘れない。
興味を持ってくれない剛に、怒なのである。
そんなアリスの頭をポンポンと叩き撫でた剛。
店員のジェラシーたっぷりの視線に辟易しながらも
「じゃあそのドラテクとやらを見せてもらおうか」
運転してくれと言う剛に、アリスは満面の笑みで頷いた。
「まかせとき!!」
ドンッと胸を叩くアリスに、頼んだと笑った剛だったが……
ものの数分で後悔することとなるのであった。
「ギャーーーーッ!!」
「うるさいで!!剛!!」
「ブレーキ!!ブレーキ踏めや!!」
「んなもん、ない!!」
「ふざけんなっ!!」
「ふざけてへん!!」
「車間距離をあけろ!!」
「十分あいとるやろ!!」
「スピード出し過ぎだ!!」
「あたしは風になる!!」
「一人でなれ!!ボケェッ!!」
こんな感じで。
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