三男
第35話
取り敢えず、お土産を所望した正義の所へ帰ることに。
光愛に会えるとルンルンの剛。
「光愛の物も揃えないとな」
「せやな。まぁ金は全部正義に払わすけどな」
「ないぞ?」
「ツケとく。んで、一生をかけてでも払わす」
「一生……それはまた正義には地獄だな」
「うちは剛みたいにアイツを甘やかさんで」
そんなことを言い合いながら診療所に着く。
「ただい」
バンッ!!
ゴンッ!!
「〜〜〜〜っっ!?」
ただいまと扉を開けようとしたアリス。
しかしその前に扉が開く。
華麗に避ける剛。
顔面を強打するアリス。
「剛くん!アリスちゃん!やっと帰ってきた!」
その扉を開けたのは慌てた様子の正義。
「正義」
「大変っ!!大変なんだよ!!」
「落ち着け。で、取り敢えずアリスに謝っとけ」
「そんな場合じゃないんだよ!!」
「あ”ーー??」
顔面を強打し、蹲っていたアリスがユラユラと立ち上がる。
恐ろしいほどの黒いオーラと共に。
なんとか謝らせようとする剛だったが、そんな彼の心知らず……
怒らせたアリスによって同じ目に合わされる正義。
バンッ!!
ゴンッ!!
「いだーーーいっ!!」
ハァ……。
二十歳過ぎても、全く落ち着きのない姉と弟に溜め息をつかざるを得ない剛なのであったーー。
「もうっ、こんなことをしてる場合じゃないのっ」
「なんだよ?」
「……なんやねん」
いつまで経っても診療所に入らせてくれない正義に聞くと
「世那くんが帰ってきたって!!」
「「…………」」
「「ハァ!!??」」
外国に居る三男の帰国を告げるのだった。
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