第24話
「離せっ!!離せよっ!!」
「暴れんな。いい加減、殺すぞ」
男とその仲間達が、屈強な黒スーツの男達に捕まっていて、なんとか逃げようと藻掻いていた。
往生際が悪い奴らに、イライラしていた黒スーツ軍団。
そこへ……。
「権兵衛ーーっ!!」
怒号が辺り一帯に響き渡る。
「「「「「誰!!??」」」」」
「権兵衛って誰や、剛ーーっ!!」
追いかけてきたアリスが全力でツッコむ。
も、剛に追い付くことは出来ず…
「お前っ、さっきのっっ」
ゴッッ!!
「権兵衛ーーっ」
「いや、お前は名前知ってんだろうが」
「剛が、権兵衛って言うなら権兵衛で良いかなって」
追いかけて来た日比野のツッコミに、テヘッと笑って答える凪沙。
それはそれは美しい、誰もが見惚れるドロップキックだった。
剛を見て目を見開いた男の顔面に剛の両足の裏がめり込む。
捕まって羽交い絞めにされていたために後ろに倒れて威力を流すことも出来ず……モロにくらってしまった男は、白目を剥いて鼻血を噴き出した。
「うちの弟に何してくれとんじゃボケェッ!!!!」
ビリビリと空気が震える。
剛の表情と怒気に、男の仲間達はビビリ大人しくなった。
「剛……」
自分のことでこんなにも怒ってくれる剛を見て、凪沙は微笑む。
それで、あの男から受けた苦痛は癒やされたと感じた。
「やっぱ、良いわ。欲しいわ」
「あ?」
嫌な予感にアリスの眉間に深いシワが寄り……
「僕ならいつでもOKですよ〜っ」
「お前じゃない」
両手を広げて、日比野の元に行こうとする凪沙。
凪沙の言うことをキッパリと否定して華麗に避ける日比野。
「剛だ」
「殺すぞ」
剛が欲しいと言う日比野に、アリスがゾッとするような低い声で言う……も。
「なんだ?ヤキモチか?お前も一緒で良いぞ」
アリスの殺気も通用せず、ニヤッと笑う日比野。
「人の話を聞けやっっ!!」
弟達には強いアリスも、日比野には手を妬くのであった……。
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