第23話
「ほぉおおおっ!!見てみて!!四季くん!!似合う!?」
「似合う似合う。カッコいいー(棒)」
ウキウキの正義に棒読みの四季。
アレから、日比野の側に居たいからか、急ピッチで正義の髪を切ってのけた凪沙は、今ニコニコで日比野の隣に居る。
あれだけ無下に扱われたのに。
もう脱力のアリスと剛。
「凪沙ちゃん、凄いねぇ!!ねぇ四季くんっ」
「あ?」
「僕も美容師になろうかな!!センスはあると思う……」
「専門職をナメるなぁ!!」
ドカァッ!!
四季が正義を殴る。
「何するの!?四季くんっ。剛くんにも殴られたことないのにっ」
アリスちゃんにはいっぱい殴られてるけどね!!と何故か胸を張る正義。
「要らんことは言わんでいい」
「いや、俺も殴ってるぞ?」
「!!??」
何故か一番に驚く正義。
いやいやいや……。
もう…どーよ、うちの弟達……。
と、頭を抱えたくなる年長者達であった。
「じゃあ、俺は行くが」
「良いよぉ!!」
満面の笑みアリス。
「えーっ」
滅茶苦茶嫌そうな凪沙。
あまりの正反対の顔に剛は笑ってしまう。
が、それもほんの少しで、剛は日比野を見ると
「アイツどうするんだ?」
と聞いた。
その答えが
「埋める」
「「「「…………」」」」
姉弟ドン引き。
「惚れる」
まだ言う凪沙。
「……」
それにドン引く日比野。
「お前がドン引くなや」
アリス、最もな呟きであった。
「アイツには多額の金を貸している。しかし最近はその返済が滞っていた」
逃げるんじゃないか?と思っていた矢先にアリスから連絡があって社長自ら出張ってきたらしい。
「ああ、それは僕がアイツに金を渡さなくなったからだね」
ケロッと、言う凪沙。
「は?」
「あ?」
「ああ?」
剛、アリス、日比野が凪沙を見る。
「僕が払ってた。払わないと殴られるから」
「「「……」」」
剛が美容室を出た。
電光石火の速さ。
アリスもついて行けず……。
「剛!!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます