第20話

「なんで?」



「偶然……か?」




そんな訳がない。




「ん?よく言うやろ、立ってる者は金貸し野郎でも使えって」




四季と剛の問いかけにケロリと答えるアリス。



金融会社社長に、なかなか随分な言い草である。




「言わねぇよ!!」




四季、全力のツッコミ。




「それを言うなら親だろ」



「ええやん。うちらにはその親がおらへんのやから」




使えるものは使え、や。



とアリスは満面の笑みで言う。




「いつから俺はお前らの親になったんだ」



「「うげっっ」」



「いや、呼んだのはお前だろうが」




四季と一緒に滅茶苦茶嫌そうな顔をするアリスに今度は剛がツッコむ。




「よぉ。また、こんなにすぐに会うとはな。神の愛娘と仲良し兄弟」




アリス達の居場所を把握していたのか、

日比野大牙がなにやら楽しそうに笑いながら美容院に入ってきた。

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