第19話

「剛」



「あ?」



「剛が行く必要はあらへん。準備は出来た」



「「準備??」」




剛と四季が声を揃えるが、アリスはそれには答えずに立ち上がると外に面する窓ガラスの前に立った。



腕を組んで、仁王立ちで、外を……男を見据える。



それに気付いた男と目があった瞬間。


ニッタァーとアリスはそれはそれは傲慢に微笑んだ。




((うわぁ……))




その笑みに剛と四季はドン引き。



外に居る男達は……怒りに顔を歪めた。



どう見てもアリスは男達を煽ってる。



これでは男達が店に殴り込んでくる。




「バカたれっ」




剛がアリスを下がらせようとするも、頑として退かないアリス。



このままだと店に迷惑をかけてしまう。



凪沙がまたツラい思いをしてしまう。



やっぱり俺が……と剛が店を出ようとした時、外が急に騒がしくなった。




「来た」




そう言うアリスに




「「来た??」」




剛は足を止め、四季はアリスの横に立ち




「うげっ」




と呻き、苦虫を噛み潰したような顔をした。




「四季?」




そんな四季を見てアリスは笑い、剛は四季の視線を辿り




「おお」




ある人物を見つけたのだった。




オドオドし出すガラの悪い男達を囲む、更にガラの悪い黒スーツを着た男達。



そして問題の男の前に立つ、他の男達を圧倒するオーラを放つ男。



図らずしも、ある事が切っ掛けで知り合い?となった









日比野大牙。



天狼金融の社長であるー。

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