第18話
「アリス」
「ん?」
静かになった店内。
自分の出番となった正義が
「よろしくお願いしまっっす!!」
なんて張り切ってる。
兄達の惨状を見ても。
なかなかの強者である。
超短髪にはなったけれど、凪沙のおかげで無事に見れる髪になった四季は未だにアリスを睨んでいる……が。
しこたま怒られた彼女は既に何処吹く風の如く無視。
スマホを弄りながら剛の呼び掛けに返事をする。
剛は、ムッとしてる四季の頭を撫でつつ、外の様子を伺う。
「剛?」
「気付いてるか?」
「もちろん」
「??」
剛とアリス、二人で交わされる会話。
四季はついていけずに、キョトンとする。
「あれだけやられたのに、しつこいな」
「ホンマ、見る目ないで凪沙」
アリスが顔を上げ、二人の視線の先を四季が辿ると。
美容院はガラス張りで、外から中が、中から外が見えるようになっている。
幸い凪沙は外を見れない位置に。
外には……
「うげ」
ようやく二人の会話の意味がわかった四季が嫌そうに呻く。
外には凪沙の現?元?彼氏が居た。
多分ではあるが、数十人の仲間を連れて。
どれもガラが悪そうで。
彼氏は店内を……正確にはアリスを物凄い目で睨んでいる。
睨まれているアリスは……嗤っている。
挑発するように。
けれど、手はスマホを弄ったまま。
どうしたものかとオロオロする四季。
しかし……剛は既に臨戦態勢だった。
さっきは通行人を守るために男を殴ったけれど……。
凪沙の話を聞いた後だ。
沸々と沸いてくる怒り。
大事な弟を身体だけでなく心まで傷付けた奴。
生きていてくれたから良かったが、遅ければ……死んでいたかもしれない。
もう二度と凪沙には近寄らせない。
そのために剛は立ち上がった。
指をボキボキと鳴らしながら。
(おおおおおお……)
そんな剛に四季戦く。
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