第11話 友人のイジメ
それからクラスで小日向和歌と何度も会いましたが、今までと何ら変わった様子が無く、挨拶を交わしいつも変わらない対応でした。むしろこっちのリアクションの方がぎこちないくらいかもしれません。
和歌「おはよう柴田」
いつものように笑顔で挨拶してくれる和歌。
柴田「うん、おはよう・・・・」
和歌「・・・・ん?どうしたの?」
柴田「いや・・・なんでもない・・・・」
こっち側としてはあのシーンが目に焼き付いてしまいました。
それからというもの度々フラッシュバックのようにあの光景が頭の中を蘇ります。
そういえば修治が言っていたオ〇ニーのオカズ・・・・これに関しては暫く困ることは無いのかもしれません。
いつもと変わらない毎日を過ごしていましたが、少しだけ嫌な気持ちになる事が私はありました。
それは所謂「イジメ」です。これはどこの学校でも問題視されている事だとは思いますが、そのイジメの対象は私の友人でした。
私が1年生の頃、仲良くしていた「仲村(なかむら)」という男子生徒が居るのですが、彼は1つの男性グループから結構なイジメを受けていたのです。
西原という少しタチの悪い男が居り、その西原がリーダーのグループにイジメを受けていました。
内容は日常化している暴力や恐喝、半強制的なパシリ、西原は金銭を仲村から巻き上げていました。直接本人から聞いたわけではありませんが、カラオケの終盤に西原のグループに呼ばれて、ついた途端会計だけ払わされたとかそういう話も聞きました。
食堂にきては、食事中の仲村の首を腕で掴み、嘔吐させていました。
柴田「おい、お前らいい加減にしろよ」
見かねて私は相手グループのリーダー西原に強めに言いました。
西原「はぁ?お前にゃカンケイねぇだろ」
柴田「関係ない事ねぇよ。自分がされた時の事考えてみろよ」
西原「・・・よかったな仲村!!」
仲村の腹を思い切り殴り、仲村に対して箸を投げつけ、去っていきました。とんでもない同級生です。
仲村「うっぐ・・・・・・」
その場で蹲る仲村。
怪我の具合を悪く見た私は仲村を起こして保健室まで連れていこうとしました。
柴田「おい大丈夫か?!先生に言おう。これはもう冗談じゃない。公然で殴るなんて証人は沢山居るからな」
ガシッ!!
仲村は私の腕を思い切り掴みました。目は血走り、本気の目をしていました。
仲村「柴田・・・・ありがとう。たった1年の付き合いだった俺にこんな優しくしてくれるなんて・・・・・。」
柴田「助けるのは当然の話だ」
仲村「でも大丈夫、あいつらにはそれ以上の仕返しを考えているんだ・・・・。お前にだけ詳しく話そうと思う。・・・明日の土曜に自習室まで来れるか?授業の予習ついでに久しぶりに話をしよう。」
私と仲村は明日の朝10時に自習室に待ち合せる事になりました。龍ヶ丘高校の土曜日に自習室は開放しており生徒であれば誰でも16時まで使用できるようになっていました。
ここでは話す事が出来ない話だから誰も居ない自習室集合なんだろうな。
柴田 (しかし・・・仕返しって・・・・)
不穏な言葉が私の心の中に残っていました。一体あいつ(仲村)は西原に何をするつもりなんだろう。
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