第10話 生涯の秘密


 ある程度その行為を見た後、リュウと目が合い、「これはヤバい」とお互い察知しました。当然ながら私もリュウも大事な所がいきり立っていましたが・・・・。


 しかし、変なメモに釣られてとんでもない場所に居合わせてしまいました。自分から見に行ったのは確かですが、なんか嫌な予感がした事は間違いじゃなかったです。来るんじゃなかった・・・・。放課後まで待つんじゃなかった・・・・。和歌が犯されている所なんて見たくなかった・・・・。あーあー・・・・よりを戻したかったのに・・・・あんなの見せられたら・・・・・。




 寄りを戻したい女性の他人とのセックスシーンを見せつけられてしまいました。




 ガタッ・・・・・・ガタンッ!!!!






 私とリュウが乗っていた机の脚が限界を迎えたようで、完全壊れてしまいました。


 その場に転ってしまう私とリュウ。




リュウ「いってぇ!!」




顧問「・・・・ん?・・誰か居るのか!?」




 私達が倒れたと同時に体育教諭のデカい声が鳴り響きます。


柴田「逃げよう!!」




 私とリュウは転がるようにその場から猛ダッシュで走りました。こんなに早く走る事が出来るなら陸上部にでも入部して大学を目指せば良かったと思う位の猛ダッシュでした。




 リュウと共にとにかく走り続けました。走って走って校門を越えて、路地に入り、溝を飛び越え、無人の駐車場を横切り、草木を掻き分け、目の前に見えたコンビニに駆け込みました。


 リュウと顔を見合わせました。


 お互い物凄い汗をかいていました。



リュウ「あれなんなんだよ!!」


 リュウは地面に向かって叫んでしまいました。


柴田「和歌・・・・あいつ顧問の教師とあんなことしてたのかよ・・・・・」


 リュウは頭を抱えていました。私は絶句です。誰が見ても無理もないでしょう、クラスメイトの秘め事を見てしまいました。


 秘め事も秘め事です、トップシークレットです。この事実が周りに広まると学校がひっくり返るかもしれません。




 リュウと絶対に今日の事を誰にも言わないと男の誓いをしました。


 修治の言う通り、普通科の和歌がバドミントン部のキャプテンを務め、有名な大学の推薦が決まっているという事にはこのような理由があったようです。


 寄りを戻したかった状態であっただけに残念な気持ちですが、彼女を守る為にもこの事は自分が死ぬまで誰にも話さないでおこうと心に決めました。




 あんなものを見せられただけで和歌の事が嫌になるなら、よりを戻したいなんて思うなよ!って自分に言い聞かせました。大したことじゃないじゃないか・・・・・俺の和歌に対する思いは絶対に変えない!大きな心を持つんだ!!

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