第5話 修治という男
るみ先生はかなり呆れた顔でゆっくりとカタツムリのように教室に入ってくる修治を見ます。
るみ 「おそようございます、芹沢君。・・・あなたまた遅刻?・・・今日は新学期初日なのに・・・・」
修治「あぁすみません、るみ先生。オ〇ニーしていたら遅れてしまいました。なかなかいいネタが無くて、だいぶ粘っていました」
クラスメートが一斉にクスクス笑い始めました。完全に修治の事を無視している生徒も中には居ましたがもう慣れたものでした。修治は完全に担任のるみ先生を舐めています。舐め切っています。
るみ 「な・・・・あなたね・・・・・いい加減にしなさい!!・・・成績は悪くないのにこんな事だとまた留年になるわよ。」
修治はもうかれこれこの高校に5年も通っています。1年生の時は皆勤で登校していたと聞きましたが、2年生の時に急に登校しなくなり、現状留年し続けている状況でした。
るみ先生の言う通りですが、成績は決して悪くありません。頭は良いのですが群を抜く素行の悪さで損をしてしまっています。私からしたら非常に勿体ないと思ってしまう生徒の1人でした。
修治「オ〇ニーのオカズが決まらないのは男子の中ではあるあるですよ先生。男子側の気持ちになって考えて下さい。それに・・・・いいです留年でも。どうせあと1年で卒業できなければ自動的にクビですから。クビになった時に沢山の同級生が出来て楽しかったですと、そう教壇に立って言わせてください。それだけが願いです。あっ・・・・でも同窓会は沢山出ないといけないから忙しくなりそうだなぁ。・・・・まぁなので、どうかほっといてください。俺の人生なので先生には関係ないはずですので。」
るみ 「はぁ・・なんとかあなたの力になりたいから協力しようと思ってる周りの人間の気持ちを考えた事はあるかな??・・・・そこまで言うならあなたを尊重するけど、周りのお友達やクラスメートに悪い影響を与えるのだけはやめてね。これは先生からのお願いです!」
るみ先生は初日からブチギレています。
詳しくは分からないのですが、修治はどこか大きな会社の社長の隠し子であり、修治の父親から多額の寄付をこの龍ヶ丘高校が受けている状況であるという噂を聞いたことがありました。
車通学に喫煙・・・完全に誰がどう見ても特別扱いを受けています。高校生の行動ではありませんし、大学生だとしても制限がかかりそうなレベルです。大体車通学や喫煙を見て見ぬふりをして許してしまう高等学校がこの世の中のどこにあるのでしょうか。
ありました、それは私達の学校です。見て見ぬふりというか、産まれてから今まで聴いたことのないアメリカのロック爆音で登校してくるので、どうしても聞こえてしまう状況なのです。それを聴いていない事にする・・・・・・・一体どれだけの寄付を修治の父親から貰っているのでしょうか。
るみ先生ですら黙らせてしまう修治。これこそがやりたい放題と言っても過言ではありませんでした。先生からしたら寄付が無ければとっくに退学させているはずです。
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