第2話 私の高校の紹介
簡単にではありますが、私の高校とその高校のシステムをお伝えします。
私が卒業した高校の名前は私立龍ヶ丘高校しりつりゅうがおかこうこうという県内有数の進学校でした。全国でも指折りの進学校でした。入学テストを受けて受かった1年生から3年生まで、成績順でクラス編成されています。完全な成績主義であります。
私が所属していた普通科に於いてはは1~9組のクラス分けがありました。その他に理数科と体育科というのがそれぞれ1クラスずつありました。全部で11クラスの編成でした。
理数科と体育科については他科への変更をしない限りは三年間ずっと同じクラスメイトという仕組みでコロコロとクラスメートが変わる普通科とは大違いでした。
普通科については学期毎の成績を基にしたクラス替えがあります。大きく理系、文系で分かれた上で、更に細かく国立進学、私立進学と分かれています。
中間テスト、期末テストの結果でクラス変更がある為、理数科や体育科の人間とは違い、クラスメートが物凄い勢いで変化するのです。学期毎に一気に環境が変わってしまいます。要するに仲が良かった友達が出来たとしても成績に差異が出るとあっという間に引き裂かれてしまうということです。
この「気を抜いたら落ちますシステム」を取り入れたのは、2年前新しい校長に赴任してからでした。私が入学した頃です。前の校長の時代はそういうややこしいシステムはありませんでした。
ぼーっとしているとあなたは目に見える形でドンドン奈落の底に落ちていきますよ、と生徒にプレッシャーをかける教育方針へ変更となったのです。方針変更の理由は、私が居た高校の学力低下が年々進んでいる事と、風紀が乱れる事です。仲の良い友人同士がグループを作って、問題行動が増えた事が直接の原因となったものではないかと思われました。
この龍ヶ丘学校のブランドを汚すような人間は今の校長にとって不要でした。
私は、3年生の1学期に3年9組まで落ちていました。3年9組というのは最低ランクのクラスになります。入学当初はそこそこ良かったと思っていた成績は卒業前には落ちに落ちていました。この学校に居させて貰ってまさに「サンキュー(39)」と言ったような状況でした。他の組から舐められているかのように捉えられる3年9組。
考え方によりますが、仮にどれだけ落ちこぼれても、この龍ヶ丘高校を卒業さえしてしまえばこの高校を卒業したという学歴だけは獲得する事が出来ます。これを潰しに地元の良い企業に就職する人間も中には居ました。在籍時に何組だったとかはもはや関係ありません。
どうしても公立大学に行きたい私は3学期までに国立圏内の7組までクラスを上げる必要がありました。
はぁー・・・今日もまた勉強をしないといけないのか・・・・。そのような事を思いながら私はクラスで仲良しのリュウと共に過ごしていました。
来る日も来る日も勉強に追われる毎日でした。
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