【犯人②】『紫皇』

「犯人は、お前だ。紫皇」


 紅貴は、人差し指を紫皇に向けた。


「おいおい、どうして俺が?」


「………………勘だ」


 紅貴の真っすぐな視線に、紫皇が肩を落とす。


「……俺って、そんなに信用ないのかな」


 紫皇は、気を取り直して腕組みをすると、紅貴に向かって言う。


「そんなに言うなら、俺が食べたという証拠を見せてくれないか。話はそれからだな」


(くそぉ……証拠か……何かないのか……?)

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