【選択肢②】『匂い』

「ここにいる全員が犯人であるという証拠。

 それは……匂いだ」


 紅貴の答えに、琥珀が訝しむような視線を向ける。


「匂い?」


「ああ、お前らから甘いプリンの匂いがプンプンと………」


「するか? 匂い」


 そう言うと、花月は、紅貴に向かって息を吹きかけた。


「あれ? この匂いは……………ミント?」


「ああ、紅貴も食べるか? キシリトールガム」


 紫皇が笑顔で紅貴に向かってガムを差し出す。


「な、ななな………証拠隠滅を図ったな?!」


 花月が紅貴を冷めた目で見る。


「あほぅ。そんな目に見えないものが証拠になると思ってるのか」


「じゃ、じゃあ、俺がさっき嗅いだ甘い匂いは……?」


 すると、白狐が手に何かを持って差し出した。


「あー、これのことかな? キャラメル。食べる?」


「紛らわしいんだよ!!」


(くそっ、これじゃなかったか……)

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