【選択肢①】『アリバイ』

「ここにいる全員が犯人であるという証拠。

 それは……アリバイだ」


 紅貴の答えに、夜兎が困った顔で、おずおずと手を挙げる。


「あのぅ~……アリバイなら、さっき証明したじゃないですか。

 一体何が問題なんです?」


「何って………いや、だから皆、一人になった時間があるから……」


 花月が馬鹿にしたような目つきで紅貴を見る。


「アリバイがない、イコール、犯人である証拠にはならない。それぐらい常識だろう」


「うぐ……っ」


(しまった、これじゃなかったか……)

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