第15話 な……なんか……Hって美味しそうやな……
ちょうどその頃、タカトといえば……
「くそ! ビン子の奴め!」
何がクソなのかよく分からないが、怒り心頭のタカトは階段を一気に駆け下りて、一階のフロアーに降り立っていた。
すると、一階の廊下の奥から幼女の声が近づいてきたのだ。
「おーい! 蘭菊ぅ~ どこ行ったんやぁ~」
タカトは足を止め、その声に目をやると……何と言う事でしょう! その声の主はこの病院に来る前にタカトをグルグル巻きにした幼女ではありませんか。
しかも、この幼女! 芋虫となったタカトの尻を思いっきり踏んづけたメスガキの方!
おかげでタカトがズボンの中に大切にしまっていたタコさんウィンナーがベキッと折れてしまったのである。
あの痛み……絶対に女には想像できない痛みだろう……マジで痛いんだって!
そんなものだから、その幼女を見るタカトの目はビン子への恨みも相まって復讐の炎に燃えていた。
――許すまじ! あの恨み!
って、なんでビン子ちゃんも一緒やねんwww
まぁ、それは置いといて、タカトは地下に急いでいることも忘れて、その幼女をおちょくり始めたのだ。
「お前ひとりなのかwwwやーいwwwwボッチ! ボッチ! ボッチっち!」
その動きはまるでシンバルを持ったサルのオモチャのよう。
傍から見ている分には和むのだが……当然、言われた本人はブチ切れる!
「なんやて! この変態! もう一度言うてみい!」
近づいてくる幼女の気迫にタカトは一瞬怯みもしたが、だが、相手は一人だけ。
片割れのいないメスガキ軍団など恐れるに足らない。
とばかりに。
「一人だと、お化けが出ちゃうよぉwwwwどうするぅwwww怖いよぉwwww」
と、さらに脅しをかけた。
だが、この幼女、すなわち蘭華は、少々おびえた目でにらみかえすと。
「ば! 馬鹿じゃない! お化けなんているわけないでしょう!」
と、声を震わせた。
ちゃーんす!
――どうやらこのメスガキ、お化けが怖いらしいwwwならば!
タカトは、さらに追い打ちをかけはじめた。
「お化けだけじゃないぞぉwwwwゾンビだって出てくるかもしれないぞおぉぉwww」
ここまで脅せば涙を流しながら「もうやめて!」と懇願するに違いない。
いや、それどころか、あまりの恐怖にションベンを漏らすかもしれないのだ。
――俺の勝利! 圧倒的勝利!
すでにタカトは自分の勝利に酔いしれいていた。
思い返せば……毎月毎月、月末に、この幼女たちにいいようにいたぶられてきた。
ならば、この際、その恨みを全て返すというのはどうだろう。
床の上に小便を漏らしながら座り込む幼女の前に、偉そうに仁王立つタカト。
「お前wwwションベン漏らしやがったなwww」
「み……見るなぁ……(/ω\*)////」
「ワハハハハハ! このことを誰にも言われたくなかったら、これから俺の言う事を聞くのだ!」
「なんでも言う事聞くから……誰にも言わないで!」
「ならば、手始めにこのタコさんウインナーを口でほうばってもらおう!」
とタカトはズボンから干からびたタコさんウィンナーを取り出すと、無理やり蘭菊の口の中に押し込んだ!
うげぇぇえぇ……
えずく蘭菊はすでに涙目。
だが、必死に口を動かし続けるのだ。
「なんかネバネバして……変な味がする……オエ……」
「ワハハハハwwww そりゃそうだろう! なんて言ったって、それは一昨日の晩から洗わずにとっていた落ちた晩飯の残りだからなwwww」
うん?晩飯の残り?
って、それ腐っとる! 一昨日からズボンの中に入れていたんだったら確実に体温で腐りだしとるって! だらか見てみろ! 粘っとるやないかい!
え? なに? パンツ脱いで待っていたのに、タコさんウィンナーはマジもんのタコさんウィンナーなのかだって?
当たり前じゃん! いったいタコさんウィンナー以外に何のタコさんウィンナーがあるというのですか! この変態! いやこのロリコン犯罪者!
だが、よくよく考えてみると……腐ったタコさんウィンナーを幼女に食べさせる方が鬼畜の犯罪者だよな……
だが! ご心配召されるな!
だって、これはタカトの妄想!
そう、タカトが自分の勝利を確信して抱いた妄想なのだから。
だから、今、タカトの目の前に立つ蘭菊はションベンなど漏らしていない。
それどころか、何当たり前のこと言ってんのよ!って言わんばかりにキョトンとしていた。
「ゾンビ? そんなの普通におるやんwww」
へっ?
蘭華の言葉に今度はタカトがビビった。
――いやいやいや……普通……ゾンビはいませんってwww
当たり前だ。
この世にゾンビなどいようはずもない。
だが、蘭華のあの様子……まんざら嘘でもなさそうだ……
今度はタカトが股間にキュッと閉まるような感覚を覚えた。
蘭華は内股をしめるタカトを見てニヤリwww
「アンタwwwゾンビが怖いんやろwwww」
ギクリ
タカトはとっさに蘭華から目をそらした。
だが、それがまずかった。
今度は蘭華がこれみようがしに追い打ちをかけてくるのだ。
「気いつけやwwwこの病院の中、ちょくちょくゾンビが徘徊しよるからなwww」
「う……うそだぁ……」
「嘘じゃないわ! だって、ウチ、昨日の夜もしっかりとこの目で見とるからなwww」
もう聞きたくない!
そんな怖い話は聞きたくない!
タカトはそんな気持ちで体の向きを変えたのだ。
「アンタwww地下に降りる気か? 気いつけやwww 地下はゾンビの住み家やでwwww」
「なんだって!」
「夜な夜な、その階段をつたって上ってくるんやwwww青緑色のゾンビがなwwww」
蘭華は両手をワシャワシャとしながらタカトを脅しはじめる。
「もし……もしもですよ……仮にですね……わたくしがゾンビに出会ったときはどうなるのでしょうか……」
「そんなのゾンビに食べられるにきまっとるやん!」
「でも、あなた様はご無事なんでございましょう……」
「なんやwww 対処法でも聞きたいんか?」
もう、勝ち誇ったかのような蘭華の目は完全にタカトを見下していた。
ちなみにタカト17歳……蘭華は5歳の幼女である。
5歳の幼女に媚びている姿をみているだけで……なんか、とてもみっともない。
だが、しかし、背に腹は代えられない。
というのも、これから、そのゾンビの巣窟である地下に降りないといけないのである。
ならば、ここは一度プライドというものを捨て置いて、対処法を聞いておくのがベターというものである。
「おねがいしますだぁぁぁあ!」
廊下に土下座するタカト……もう無様……
一方、腰に手をかける蘭華は、まるでワンピースに出てくるハンコックのように胸が反り返っていた。
――アタイの勝ちや!
「アハハハハハ! ならウチの言う事をなんでも聞くんやな!」
「わ……わかりました……で……いう事というのはいかなるものでございましょうか?」
「そうやな……アンタ! 蘭菊、見んかった?」
「いえいえ……姐さんのお片割れなど、とんと拝見しておりませんですぅ……」
「そうか……蘭菊のやつ、一体どこに行きよったんやろな?」
「いつから、お片割れのお姿が見えないでございましょうか……」
「うー---ん、アンタらがこの病院内に入るまでは一緒におったはずなんやけど……それからやな、おらんなったんは」
「なら、トイレとかではないでしょうか? 不肖!このタカト!全病棟の女子便所を覗いてまいります!」
飛び上がって今にも走り出しそうなタカトを蘭華が制すると
「ちょと待ち! アンタ!男やろ! 男が女子便所覗いたら犯罪や!」
「いえ! このタカト!姿は男でも!心は女でございます!」
「うそやwwwwほれ! そこにエロ本が!」
「え!? どこどこ」
きょろきょろとあたりを見回すタカトにあきれた視線を飛ばす蘭華。
「やっぱり変態や! 男はみんな変態の狼なんや!」
「いえいえ! わたしめは変態狼などではございません!」
「近寄るな! 近寄ったら赤ちゃんできてまうやろが!」
今度はタカトが声を荒らげた。
「あほか! Hもせずに赤ちゃんなどできるか!」
「へ? H? Hってなんなん?」
キョトンとする蘭華を見ながらタカトは思った。
幼女相手に性教育?
していいのだろうか? うーん、まだ時期尚早?
いや!これも教育……そう教育なのだ!
ということで、タカトはHについて熱く語り始めた。
「Hとはな! タコさんウインナーを蝦夷アワビの中に突っ込んで濃厚なミルクを注ぎ込む行為だ!」
それを聞く蘭華は興味津々に目を輝かせる。
しかも、なんだかよだれまで垂らしながら……
「な……なんか……Hって美味しそうやな……」
――Hな行為がおいしそうだと! いかん! こいつ生来のビッチやったか!
いやいや……これはどう見ても、タカト君の教え方が悪いんじゃないのかなwww
これだと、アワビとウィンナーが入ったクリーム煮込みじゃんwww
だが、蘭華はその説明で納得したようで、
「ええわ! 今度そのHってのを食べさせてくれるんなら、ゾンビの対処法を教えたる!」と、快諾したのである。
これにタカトは驚いた。
何たる棚ぼた!
ゾンビの対処法を教えてもらえるだけでなく、幼女とHまでできるとは!
だがしかし……
――俺は巨乳派……こんな貧乳の小娘など……
と、先ほどからジーっと蘭華の胸をにらみつけていたのだが……そういえば、君……さっきまで屋上で貧乳アイドルミーニャたんのグラビアでタコさんウィンナーを硬くしていたよね。
――あほか! 据え膳食わぬは男の恥! 相手が幼女だろうが老女だろうが、そんなことは関係ねぇ!
そう、タカト君のストライクゾーンはブラックホールよりも広いのだ!
ということで!
「交渉成立だな!」
と、タカトと蘭華はガッチリと手を組んでいた。
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