③俺はハーレムを、ビシっ!……道具屋にならせていただきます1部3章1~タカト!大ピンチ! ~ 生死をかけろ! 筋肉超人あっ♡修マラ♡ん♡編
第9話 ジジイ! お前に融合加工のなにが分かるっていうんだよ
第9話 ジジイ! お前に融合加工のなにが分かるっていうんだよ
「できた!」
タカトの叫び声に、ムフフな本に落ちていた立花の視線がモッコリと起き上がった。
目の前のタカトは薄いランドセルのようなものを背負っていた。
だが、ただのランドセルではない。
というのも、そのわきから細いアームのようなものが左右2本ずつ計4本伸びていたのである。
それを見た立花の眼は点になっていた。
「……なんだそれ……」
そんな立花の疑問をすでに予想していたのかタカトはヘヘンと鼻をこすった。
「聞いて驚け! コレは『生死をかけろ! 筋肉超人あっ♡修マラ♡ん♡』だ! どんな所でも、この
まぁ、ここでビン子がいれば、おそらくその返答は「また、アホなもの作ってからに……」となるのであろうが、今いるのは立花どん兵衛。
なのでwww
「また、つまらぬもの作ってからに……」
と、少々、ニュアンスが違っていた。
そして、続けざまに、とどめの一言。
「タカト……お前……融合加工の腕、落ちたな……」
がーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!
それを聞くタカトはショックのあまり顔面蒼白。
だが、今しがた会ったばかりの立花にそこまで言われる筋合いはない!
「じじい! お前に俺の融合加工のすばらしさの何が分かるって言うんだよ!」
と、食いついた。
だが、先ほどまでエロで緩み切っていた立花の顔が真顔に戻りながら、一つ一つ『生死をかけろ! 筋肉超人あっ♡修マラ♡ん♡』の欠点をあげつらい始めた。
「アームが細い! こんな細さではエロ本しか持てないだろうが!」
「
「
「だって、2冊同時に読みたい時だってあるだろうが!」
「百歩譲ってお前の理念に従うとして、だいたい、このアームがエロ本を持つ必要があるのか? この自動制御された動きならお前のズボンの下にあるマラを握らせた方が気持ちいいんじゃねえの? 自分でするより人にしてもらった方が数倍いいぞwww」
「うっ! 確かに、そうかも……そこまでは考えていなかった……って、そんなことしたらこの小説18禁になるだろうが!」
「アホか! すでに十分危ないわい! だから、お前は詰めが甘いって権蔵に言われるんだよ!」
「うん? なんでジジイ、お前、じっちゃんのこと知ってんの?」
「ワシを舐めるなよ! 腕のいい融合加工職人の事なら何でも知っているわい!」
「じっちゃんが腕がいい? あははは! これまた御冗談をwww あの客が全くついていないじっちゃんが腕のいいw それなら、俺はこんなに貧乏で苦労するはずないだろうがwwww」
ケラケラと笑うタカトの眼を真顔でじっと見つめる立花どん兵衛。
先ほどまでとは打って変わって小さくドスが聞いた声でつぶやいた。
「タカト……お前……それ、マジで言っているのか?」
「へっ?」
その様子に、さすがにタカトはしまったという顔をした。
ついつい、いつもの癖で心で思っていること逆のことを言ってしまった。
照れ隠し?
確かにそうなのだ。
タカト自身、権蔵の事を褒められてうれしくないわけはない。
この国の中の誰よりも権蔵のことを尊敬しているからこそ誇らしいのだ。
だが、それを素直に表現できない性格……
「だって……店に客が来ないのは事実だし……」
だから、この期に及んでまだ言い訳をし続ける。
「お前だけは分かっていると思ったのだがな……権蔵の融合加工の技術はこの国一だ。俺が保証する!」
――そんなこと言われんでもわかっとるわい!
タカトだってそんなことは分かっている。だからこそ、日頃から権蔵を超えたい!権蔵に認めてもらいたい!と頑張っているのだ。
だが、今までタカトが作ってきた道具の数々は……なぜか……なぜか……いつも……いつも……権蔵に「このドアホがぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」と、さんざんけなされ続けてきたのだった。
――なぜじっちゃんは俺の融合加工が理解できないんだ! 分からない! もしかしたら、じっちゃんの技術が古いんじゃないのか?
自分が認めてもらえないのは権蔵の知識が古いからだと決め込んだ。
だからこそ融合加工コンテストで優勝して見返してやろうと思ったのだが、ご存じの通り……参加することすら叶わなかった……それどころか……『恋バナナの耳』を通して聞こえてきたのはタカトの融合加工に対する辛らつな言葉の数々……
――もしかして、自分は才能がないのだろうか……
そう、思い知らされるには十分だった。
だが!断じてそれはあり得ない! いや、断じて認めるわけにはいかないのだ!
なぜなら!
――俺はじっちゃんの弟子だ!
そう、タカト自身が自ら才能がないと認めてしまえば、それは師である権蔵もまた才能がないと認めるのと同じことなのである。
――じっちゃんはこの国一の融合加工職人! そして! 俺は、権蔵じいちゃんの一番弟子!
それを頑なに信じるタカトにとって、自分が融合加工を続けるには十分な理由であった。
だが……
しかし……
そうはいっても……権蔵の店には全く客が来ないのも事実なのだ。
そのため、タカトやビン子は食うものにも困る貧乏生活を送らざるを得なかった。
(うん? 貧乏なのは、いつもタカトが配達代金をなくしてくるからなんじゃないの? byビン子)
(アホか! じっちゃんの腕がめちゃくちゃいいんだったら、俺が金をなくしたとしても、めっちゃ儲かっとるわい!byタカト)
まあ……タカトも人の子……心では権蔵を尊敬していても、空腹の胃袋が否定するのだ……
――もしかして……じっちゃん……融合加工職人として……三流なんじゃないのか……
今は、昔のつてで第六と第七の宿舎に道具を納めているだけ、それ以外の注文なんて、ほとんどありゃしない……
おそらく、これが世間の評価……権蔵という融合加工職人の価値なのだ……
それにもかかわらず、今、目の前で面と向かって権蔵のことを『腕のいい融合加工職人』、いや、それどころか『この国一』と評価する人が現れたのだ。
照れるなというほうが無理な話……
だが……そもそも……
「ジジイ! お前に融合加工のなにが分かるっていうんだよ?」
「アホか。こう見えてもワシはな融合加工にはかなりうるさいぞ!」
身の上を語りだす立花……
話によると立花どん兵衛は融合加工に長けていた。
それは職人というより目利きとしてと言った方がいいだろう。
というのも、かつての立花は融合加工品の取引を生業としていたのだ。
駐屯地で使い古された融合加工品を買い取っては、それを高値で売り飛ばす。
要はリサイクルショップである。
その中でも権蔵の作った道具はよく売れた。
一般的な融合加工品がコップ一杯の血液を必要するにもかかわらず、権蔵のそれはわずか一滴で済むのであるから当然だ。
しかも、権蔵が作るものは剣や盾などの装備品が多く、それらは、自警団や秘密組織、はたまたカルト集団によく売れたのだ。
だからこそ理解していた。
――道具とは、その作り手の性格が表れるモノ。
おそらく、立花は作られた道具を通して作り手と語り合っていたのである。
そのため、たとえ権蔵本人と一度もあったことがなかったとしても、その性格は熟知していた。
そんな立花が、タカトの腕が落ちたというのだ。
が―――――ン!
落ち込むなというほうが無理な話。
だが、この時、タカトはショックのあまり気づかなかったのだ。
腕が落ちたという言葉は、比較対象物があってこそ発せられるモノであるということを。
もしかして、権蔵の作った道具と比較したのだろうか?
いや、それらはそもそも設計思想が異なる物。比較など容易にはできやしない。
ならば、もしかして、かつて立花はタカトの作った道具を見たのであろうか……それは、タカトの作った道具がリサイクルショップに流れていたということを現しているのであるが……
そんなことはありえない。
だって、今まで作った道具の数々は、タカトの部屋に無造作に置かれているか、このビン子のカバンの中に納まっているのだ。
こんな変態道具、だれも好んで使いたいと思わないだろう。
というか、ただのエロ道具、だれも金を出してまで買いたいと思わないに決まっている。
だから、ビン子が常に持ち歩いていたとしても、今まで銅貨1枚(10円)ですら売ることができなかったのだ。
ということは、コレは立花のデマカセ? 嘘なのか?
いやいや、そんなことはない。
確かに今の立花はヨボヨボのエロジジイではあるが、こと、融合加工についてはお世辞もウソも決して言わない。
そう、立花はかつてタカトがつくった道具、すなわち巨大なチ〇コを見たことがあったのだ。
――こいつ……権蔵の血液一滴の技術を使ったうえで、バケツ一杯の血液が必要だというのか……いったいどれほどの開血解放のパワーが出るというんだ……
この時、体中に驚きと嫉妬っといった激しい衝動が走ったことをハッキリと覚えていた。
だが、10年という年月は残酷なものだ。
もう、その時のタカトの顔と巨大チ〇コ以外はどんなに頑張っても思い出せなくなっていた。
要は、ボケていたのだwww
(あっ! ちなみにタカトのはタコさんウィンナー並みに小さからね♪byビン子)
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