4話「1を数える。(1)」

これでもない。あれでもない。これも違う。………全部違う!!!

今日も司書達は同じ声と同じ台詞の怒声を聴く。

今日もこの双子は図書館の本を整理する。

本を読む為にここを訪れた客と、返却された本を戻そうとする気の無い司書達の為に。

最初は優しく注意した。次に普通に注意した。今は怒声が響く程度には苛立っている。

双子は考えた。何度も何度も考えた。でも、双子には分からなかった。やっぱり分からなかった。

この図書館の今の司書達は双子の手に負えなくなっていた。司書達が客に怒られているところを見る事がある。なのに、変わらない。変わろうとしていない。変わる気がない。

なぜだろう。何故だろう。何故?

考えれば考える程『怒り』が収まらない。

………………………で、どうすればいいんだろう?

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