ド下手なカレンでさえ胸に滲みる

 所詮、女と言うのはこういうものなのだ。

 でも男だってそう!


 見目麗しければ、胸が豊かなら

 目が行く。


 口でならいくらでもキレイ事は言える。


 オレが正しくまさしくそうじゃねえか!!


 もう中三なんだし、いい加減“厨二”は卒業しなきゃ!



『洋輔! フロ空いたぞ!』


 オヤジの大好きな大滝詠一さんの『カレン』の唄を調子っぱずれに歌われて、オレのセンチメンタリズムは台無しだ。


 それでも……オレの耳にもタコの“その唄”がお風呂場のエコー効果か、頭の中で鳴り響いて……

 あの唄に照らし合わせたような妄想を作り出す。


 まだまだ厨二から抜け出てないなと、オレは浸かっているお湯でジャバジャバ顔を洗った。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る