第8話 祈りの呼吸と横の繋がり

 影との対峙を経て、僕の中には確かな気柱が立ち始めていた。しかし、それだけでは不十分だと、リオが教えてくれた。


 「お前は天と地を繋ぐ柱を作り上げた。だが、気柱が本当に機能するには、もう一つ必要なものがある。それが『横の繋がり』だ。」

 リオはそう言うと、胸の前で手を合わせるポーズをとった。


 「祈りの呼吸を使えば、横のラインを広げられる。これは孤立した力ではなく、世界と繋がるための呼吸だ。お前が柱として本当の力を発揮するには、この呼吸を身につける必要がある。」


 僕はリオの動きを真似て、胸の前で手を合わせた。両手の間に空間を感じるよう意識しながら、呼吸をゆっくりと深くする。すると、手の間に微かな温もりが生まれ、その感覚が全身に広がっていった。


 「いいぞ。その温もりを自分だけのものにするな。広げろ。世界と繋げろ。」

 リオの声に従い、僕は呼吸を通じて自分の中にある愛や安らぎを外に広げるイメージを持った。すると、その温もりが風に乗り、周囲の空間に溶け込むのがわかった。

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