第6話 地の守り手エリナの試練
風と繋がる力を得た僕は、リオに導かれてさらに奥地へと進んだ。そこには広大な荒野が広がり、大地の力強さを象徴するような岩山がそびえ立っていた。地面に足を踏み入れると、重々しい振動が全身に伝わってくる。
「ここがエリナの領域だ。」リオが指差した先に、壮年の女性が立っていた。彼女は茶色のローブを身にまとい、その瞳にはどこか懐かしさを感じる温かさがあった。
「あなたが新たな気柱の候補ね。私はエリナ、大地の守護者です。」
エリナは僕に近づき、優しい声で続けた。「大地と繋がるには、腹の底からしっかりと息を吐き、全身で地の鼓動を感じる必要があります。」
彼女は僕を岩場に座らせると、独特な呼吸法を教え始めた。みぞおちを柔らかくし、下腹を意識して呼吸をする。すると、地面から温かな波動が伝わり、身体全体を包み込むような感覚が得られた。
「大地は真実を知っているの。あなたが隠している心の弱さも、疑念も……すべてを受け入れる。だから、自分自身を偽らないで。」
エリナの言葉に胸を突かれるような思いがした。しかし、呼吸を深めることで次第に心が軽くなり、ありのままの自分を受け入れられるようになった。
「これでいいのか?」
「ええ。あなたの中に、地と風、そして自分を繋ぐ柱が生まれつつあるわ。」
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