第4話 遺跡での試練

 呼吸の基本を学んだ翌日、セリアは僕を古びた遺跡へと連れて行った。そこには巨大な石柱がそびえ立ち、その表面には古代文字が刻まれていた。


 「ここが、あなたが最初の試練を受ける場所よ。」

 セリアがそう言うと、遺跡全体が微かに振動を始めた。そして、石柱の間から濃い霧が立ち込め、僕たちを包み込んだ。


 「呼吸を信じて。あなたの『気柱』が通じれば、この霧の中で道が見えるはずよ。」


 僕は再び深い腹式呼吸を試みた。呼吸が深くなるにつれて、霧の中にかすかな光が浮かび上がる。それを頼りに進むと、石の扉が現れた。扉には円形の窪みがあり、手をかざすと温かい感覚が伝わってくる。


 「ここに手を置いてみて。」セリアの声が遠くから聞こえた。


 手を置くと、頭の中に声が響いた。

 「お前の柱を見つけよ。さすれば、天と地を繋ぐ者となる。」


 扉がゆっくりと開き、その先には光り輝く空間が広がっていた。

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