第13話
あの日以来ずっと瑞島にいる。
ミリヤのご両親にご挨拶に行ってその場で婚姻届を書いた。
ミリヤは『聞いてない』
と少し驚いていたが、彼女の方からご両親の前で僕にキスした。
そしてご両親にミリヤが言った。
「大丈夫だよ。流星はママ達が知っての通りいいやつだから。それにあたしが居ないとなんもできない。……本当はね、千紗ちゃんと居たいだろうけど、また繰り返すくらいならもうこのままあたしとあの島で住んじゃった方が当面は楽だよね。」
僕はご両親の前でミリヤに包まれていた。
「安心して?流を一人になんてしないから。」
「…ママ?」
「似てた?」
ミリヤが笑う。
そう。たまに母と重なる時がある。
でも一番の違いは、決断力と行動力。
これはママにはない。どちらかと言うと千紗。
なぜなら…
――――――――――――「ただいまぁ。」
「ちーたん!」
「ただいま。」
「俺も一緒に行けばよかった。」
「本当にね。」
「え?どういう事?」
「酷いから。ドア閉めた直後から『千紗大丈夫かな?帰ってこれるかな?』5分経たないくらいでまた。今の今まで。」
「そうだったの?」
千紗が笑う。
僕は既に千紗を抱きしめていた。
「迷子になるかもしれないじゃん。」
「地元だし大丈夫。」
「ナンパされたら?さらわれたら?」
「心配だったの?」
「うん」
「じゃあ次から千紗と一緒に行こう。」
「…俺の千紗だから。取られたくない。」
「分かってる。」
そう、今僕は千紗とミリヤと
ちなみに、同じマンションの隣の部屋にママも居る。
みんな家族だから。
ミリヤも正直あまり両親が好きではなくて、離れたいって思いもあったよう。
またいずれ地元に戻ることもあるかもしれない。でも今の僕らにとってはこれが一番幸せな形。
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