第8話
千紗と一線を超えたことを後悔していた。
でもどこかでそういうことをしないと繋げておけないとも思っていた。
僕はただ甘えていたかっただけ。
ただ千紗の胸の中で…。
数日後…。
自宅ソファでミリヤの膝枕で眠っていた。
「ただいま…。流寝てるの?」
「うん。泣き疲れて寝ちゃった。」
「なんかあったの?」
「うーん、色々ね。」
「色々?」
「…こいつは大変だよ。あたしじゃなきゃ無理だわ。」
僕の頭を撫でながらそう答えた。
「それは分かった話でしょ。」
「…千紗ちゃん、流星の本当のママって顔見せてないの?」
千紗は勘づいた。
「流星なんか言ってた?」
「…あたしから聞いたって言わないでね。あたしだから話してくれたと思うから。」
「わかった。」
千紗は僕らの傍に来た。
「流、本当のママにやられてる。中3の時に。確かにそこからなんだよね。学年上がってすぐから急に女作るようになってさ、スパン短すぎるし、カバンのポケットにコンドーム入れてるし、使わないよりマシだけど、そっち面で荒れ始めたからさ。」
「…知らなかった。」
千紗は絶句していた。
「それで千紗ちゃんが流星を突き放すならあたしが全面的に受け入れるから安心していいよ。」
「…でもミリヤはこの子の母親にはなれない。」
「なれないよ。でも全力で甘えさせることは出来る。」
「…大丈夫。母親はあたししか出来ないから。お姉ちゃんは産んだだけ。あたしが言葉からお箸の持ち方からトイレから全部教えたから。できる度に全部褒めてあげた。…今でも寝る前でも夜中でもでも関係なくベットに潜り込んでくるから。何もしなくてもいいんだ…。ただ流が安心出来るならそれで。」
ミライは改めて思った。
(それ…流星、あたしにしてよ)と。
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