第9話
朝になり、二人は再びリビングに集まった。外はまだ薄暗く、冷たい空気が部屋の中に差し込んでいるが、家の中は温かく、年始の雰囲気が漂っていた。装雁はリビングのテーブルの上に並べられたおせち料理を見て、少し目を細めた。
「おせち、食べようか?」と装雁が言うと、庭思は目を輝かせて頷いた。「食べよう。」
二人はテーブルに座り、おせちの重箱を開けた。色とりどりの料理が並び、見た目にも華やかだ。黒豆、伊達巻、数の子、きんとん、そして紅白のかまぼこが美しく配置されている。
「美味しい?」庭思が笑いながら言うと、装雁もニッコリと笑った。「もちろん。」
装雁はまず、黒豆を取り分けて口に運んだ。「これ、健康に良いんだってね。」
「そうだね。」装雁は嬉しそうに微笑みながら、おせちの一部を庭思に勧めた。「これも食べてみて。きんとん。」
庭思はきんとんを箸で取ると、「あ、甘い。結構好きかも。」と驚いた様子で言った。
「でしょ?甘くて、お祝いの意味も込められてるんだよ。」装雁は言葉の間に少し誇らしげな笑みを浮かべた。
「そうなんだ。」庭思はおせちを口に運びながら、今年の目標や新たな気持ちが少しずつ整理されるような気がしていた。
二人はしばらく黙っておせち料理を食べ続け、それぞれの思いを胸に抱きながら新年の静かな始まりを感じていた。装雁がふと、「今年もいい一年になるといいね。」と、軽くつぶやくと、庭思も「うん、そうだね。」と答えた。
その後、少しずつおせちが減っていき、二人は満足そうに食べ終えた。装雁は食後の一息をつきながら、「これから何しようか?」と尋ねると、庭思は少し考えてから、「うーん、どうしょ」と答えた。
装雁も同じように頷き、「じゃあ、ちょっとだけ出かけようよ」と提案し、二人は出かける準備をして、出かけるのだった。
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