第8話

二人は部屋のテレビの前に座っていた。装雁は急にテレビの画面を見て、「テレビ、飽きちゃったね。」と呟いた。


庭思はその言葉を聞いて、思わず目を輝かせる。「じゃあ、ゲームでもしようか?」


装雁は笑いながら、「ちょうどボウリングゲームあるし、これで遊ぼうよ。」と言って、スマホを取り出した。庭思はそのスマホを見て、「え、ボウリングゲーム?」と不思議そうな顔をした。


装雁は「そう、テレビにスマホを繋いでできるんだよ。やってみよう。」と、すぐに準備を始めた。


庭思は少し戸惑いながらも、装雁の言う通りにスマホをテレビに繋げた。画面には、ボウリングのピンが並んでおり、二人は順番に投げていくことになった。装雁はすぐに遊び始め、庭思も興味を持って手を伸ばした。


「じゃあ、ゲームのルールだけど、勝った方が、少しだけ、お年玉をあげるっていう罰ゲーム付きにしようか?」と、装雁が提案すると、庭思は少し驚いた顔をしたが、すぐに笑って同意した。「お年玉か、いいね!それで勝った方が楽しめるもんね。」


ゲームが始まると、二人は熱中し、ボウリングの球を投げるたびにテレビの画面に集中していた。装雁がピンを倒すと、庭思は軽く舌打ちをして悔しがり、次は自分の番だ。庭思が投げると、ピンが数本倒れただけで、装雁が「おお、惜しい!」と声を上げた。


だんだんと競争が激しくなり、二人の間には真剣さが増していった。装雁がまたピンをすべて倒したとき、庭思は「すごいな、やるじゃん!」と、ちょっと手を叩いて拍手をした。


「これ、けっこう楽しいね。」庭思が笑いながら言うと、装雁も満足げにうなずいた。「こういうゲームもいいね。勝ったら、お年玉もらえるから、気合い入るよ。」


何回かゲームを重ねるうちに、二人はどんどん本気になっていった。装雁がもう一度ピンを倒したとき、庭思は少し疲れた表情をしてから言った。「うわ、負けた、まただ。お年玉、ちゃんと渡すよ。」


装雁は嬉しそうに言った。「ありがと!じゃあ、次はもっと頑張るね。でも、このゲームすごく楽しいな。お年玉がかかってるから、負けられないって思うもん。」


二人はその後、笑いながら何度もボウリングゲームを繰り返し、楽しい時間を過ごしていた。ゲームの結果、装雁が数回勝ったが、庭思も次々に挑戦して、二人の間にはさらに親密な雰囲気が流れていた。


最後に、装雁は笑いながら「お年玉をもらったけど、まだゲームしたいな。」と言った。庭思も同じように笑いながら「お年玉渡したから、次は勝たせてよ。」と言って、もう一度ゲームを始めた。


その日の夜、二人はお年玉とゲームの罰ゲームで何度も笑い合い、楽しい時間を過ごしていた。

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