第7話
二人はリビングのソファに戻り、お年玉を手に取りながら、それぞれの計画を話し始めた。庭思が最初に言った。「お年玉で何買うの?」
装雁は少し考えてから答える。「私は洋服と、参考書。」
「参考書?」庭思は驚いた表情を浮かべる。
「ダメなの?」装雁。
「ダメじゃないけど参考書、お年玉使う?なの?きつう」庭思。
装雁は少し肩をすくめながら答える。「頼めば親が出してくれるかもしれないけど、やっぱり自分で買いたいなって。」
「頼んだ方がいいんじゃない?」庭思はちょっと心配そうに言った。「親が出してくれるでしょ?」
「頼めばね。でも、もし成績が低かったら、返してって言われるかもしれないじゃん。」装雁は少し不安そうに続けた。
庭思はそれを聞いて、少し考え込む。「確かにそれはそうかも。」
装雁はしばらく黙ってから、軽く笑いながら言った。「その時は返せばいいかな?」
「返せばいいって、どうやって返すんだよ?」庭思は思わず声を上げる。「参考書ってさ、使っちゃったらもう返せないでしょ?」
「うーん、そしたら、古本屋とかで売るとか?」装雁はちょっと冗談っぽく提案する。
庭思は驚いた顔で装雁を見つめる。「参考書なんて、10円だよ!安すぎるなんだから!」
装雁は肩をすくめて、「最初から古本屋で参考書を買えばいいかな?」と言った。
庭思はそれを聞いて、少し考えた後、ふと顔を上げる。「ちょっとボーリングサボってるよね古本屋!」
装雁は目を丸くして振り返る。「は?なんでボーリングが出てくるの?」
庭思は慌てて、「ごめん、暴利です。」とすぐに訂正した。
装雁は顔を手で覆って笑い出す。「焦った。ボーリングって言われて、今からボーリング行くのかと思ったじゃん。いきなりボーリングって?。」
庭思は少し恥ずかしそうにしながらも、ふっと笑う。「だから、間違え。暴利だって。」
装雁は爆笑しながら言った。「いや、ものすごい間違え方だよ。」
庭思は少し照れながら、「うん、そこはあんまり引っ張らなくてもいいんじゃないの?」と言った。
でも、装雁はしばらくその話題を引きずりながら、再び笑い始める。「でも、ボーリングって何?暴利から、遠。」
庭思はまた笑いながら、「それ、もう1回言っても面白いよね。」と言った。
二人はその後、少し静かにお年玉を手に取り、またお互いのことを考えながら、新しい年を迎えることを実感した。それでも、どこかで笑い声が途切れることなく、二人の間に流れる温かい空気が続いていた。
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