第7話 "血の歴史"
(ヴァンが走る)
〜過去シーンが流れる〜
アル『ヴァン てめェはウィンチェット博士の研究とヨークシャー家の歴史について 調べられるものは全部集めて持ってこい…!!』
ヴァン『承知しました!!』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ヴァン『ジェイ 大丈夫すかね…』
(ヴァンが街を走っていく)
(ヨークシャー家の白バラの庭園、ジェイが白バラが咲き誇る庭園に立ち、眩しげに周囲を見回している)
ジェイ『うわ!! これ全部白バラか!? きれーだな!』
ウィンチェット博士『かつてヨークシャー家はテリア家と激しく争っていました そしてヨークシャー家は勝利し…生命と平和の象徴としてこの白バラを植えたそうです』
ヘンリー『この庭園は全て父さんが自分の手で手入れしているんだ』
ジェイ『これ全部か!!? すげーな!!!』
ウィンチェット博士(空を見ながら)『私はただ あの方たちから受け継いだ意思をこの手で守りたいだけです』
(ヘンリーがウィンチェット博士を見る、その後にジェイをみる)
ヘンリー『じゃあ次はバラの部屋に案内しますね』
(ヨークシャー家のバラの部屋、壁や床にバラの模様がたくさん書いてある、窓際に大きな壺が置いてある)
ジェイ『おお!!! きれい!!』
(ジェイが窓際に歩いて行く)
ジェイ『おお!! さっきのバラが見える!!』
ヘンリー『きれいですよね!? ヨークシャー家を象徴する部屋なんです』
ジェイ『なんだこれ… 壺?』
(ジェイが壺をじっと見つめ、手を伸ばす、壺に触れようとするその瞬間)
ウィンチェット博士『触れてはならん!!』
(ジェイが驚いて手を引っ込める、ウィンチェット博士は彼をにらみつける)
ヘンリー『まあまあ父さん そう怒らないで ジェイ君は悪気があったわけじゃないだろうし』
ウィンチェット博士『すまない この壺はとても価値のある壺なのでね』
ジェイ(この壺面白い形してるな)
ヘンリー『父さん ジェイに研究部屋も見せてやっていいかい?』
ウィンチェット博士『ああ 見ても面白いものではないがな』
(持ち人邸宅、アルが本を読んでいる、ヴァンが駆け足で戻ってくる)
ヴァン『アルさん 調べれるだけ調べて持ってきました!!』
(ヴァンが書類を机の上に置き終わる)
アル『ありがとう』
(アルは椅子に座り直し、書類をじっくり読み始める)
ヴァン『ウィンチェット博士ですが… メカリザ大学校で博士を取得後 卒業してすぐヨーク製薬に入社し 以降そこで研究を続けていたみたいす』
アル『大学校入学前は?』
ヴァン『そこまでは記録が見つかりませんでした』
アル『そうか…』
ヴァン『ただ 僕が個人的に気になったのは…研究で定期的にブレイオークへ訪れていたことっす… いい土が手に入るとか』
アル『…!! ブレイオーク… 200年ほど前 闇人(ヤミビト)を使った実験をしてた地域だな』
ヴァン『そうなんす…!! 中でも一番ヤバいと言われてるのは…死者の怨念から闇人(ヤミビト)を作る実験すよ ヤバくないすか!?』
アル『詳しいな』
ヴァン『僕都市伝説とか好きなんす』
(アルがウィンチェット博士の書類を閉じる)
アル『ヨークシャー家の歴史はどれだ!?』
ヴァン『こっからここまです』
(多い、アルは何も言わない)
(ヨークシャー家のウィンチェット博士の部屋)
ジェイ『うお!! 葉っぱ!?』
(ヨークシャー家のウィンチェット博士の部屋、本と書類が山積み、バラの葉がたくさん置いてある、バラの葉が何かの液体に使っている、バラの葉が折られている、皿に紅の水が入っている、金庫が置いてある)
ヘンリー『ここでバラの葉を使った研究をしてるんです』
ウィンチェット『紅茶の研究をしていましてね』
ヘンリー『バラの葉から作られる紅茶はカフェインが含まれないので 眠くならないんです』
ウィンチェット博士『夜寝れない方でも 紅茶を飲んで心を落ち着けて寝てもらえると思いまして』
ヘンリー『僕も兄も小さい頃からよく眠れないことが多くて』
ジェイ『ほー』
ヘンリー『紅茶の成分だけ抽出して薬にできないかって研究もしてるんですよ』
ジェイ『へー おっさん達は薬で人の生活を守ってるってことか?』
ヘンリー(苦笑いをして)『ま…まあ そんなところですね』
ウィンチェット博士『だが薬もたくさん飲めば毒になる… これだけは気をつけたまえ』
(持ち人邸宅、アル・ヴァンが書類を読んでいる)
ヴァン『ヨークシャー家とテリア家の争い…壮絶ですね』
アル『平和と繁栄の裏に隠れているのは血で染まった歴史… これはいつの時代でもどの国でも同じだ』
ヴァン『どうして地人(チビト)同士で争うんすか…』
アル『守ってるのかもな…』
ヴァン『何をすか…』
(ジェイが帰ってくる)
ジェイ(手を挙げて)『うっす!!』
ヴァン『ジェイが帰ってきたすね…』
アル『何を見た!? 見たもの全て説明しろ』
(時間が経過、ジェイが話しているシーン)
アル『なるほどな ありがとう』
ヴァン『でも謎が多いすね…』
アル『ちょっとテメェら静かにしててくれ』
(アルが砂時計をひっくり返す)
(アルが座って考える、いつものポーズ、ジェイとヴァンは黙って座っている)
(砂時計の砂が落ち切る)
(アルが頭から手を離す)
アル『……これかもしれねェ』
ジェイ『わかったのか!?』
アル『仮説だがな ヴァン 明日ヘンリーをここに呼べ』
(次の日、持ち人邸宅、ジェイ・アル・ヴァン・ヘンリーがいる)
アル『結論だけ言おう』
(アルが話す、ジェイ・ヴァンがなんとも言えない顔をする、ヘンリーが涙を拭いている)
ヘンリー『それでいきましょう…』
(沈黙が続く)
ジェイ『ヘンリーのおっさん 結婚する人はどんな人なんだ?』
ヘンリー『え?』
ジェイ『いや おれらが守るのはおっさんの未来だけじゃねェからさ』
ヘンリー(少し笑顔になって)『笑顔が素敵で好きなことに正直な方ですよ…!!』
ヴァン『いい方すね』
ヘンリー『まだ数回しか会ったことがないんですけどね…』
ジェイ『数回!?』
(アルは黙って見守る)
ヘンリー『だけど会った一瞬一瞬 思ったんです この人を笑顔にしてあげたい 好きなことを追求させてあげたいって それで結婚を申し込みました』
(ジェイは納得する)
ジェイ『その未来 おれらに守らせてくれ』
ヘンリー『どうか… よろしくお願いします… 』
(ヨークシャー家のバラの部屋、ジェイがベッドで寝ている)
ジェイ『いつでも来い』
(その時笛の音が聞こえ始める、ジェイが起き上がって外を見る)
ジェイ『…うわ!!』
(白バラの庭園が赤く染まり始める、その赤いエネルギーがバラのトゲある蔓になって伸びてくる)
(赤いエネルギーが壁を登って部屋へくる
(部屋のバラの模様が赤く光り始める)
(赤いエネルギーが壺に集まる)
(壺の中からデロリと黒い物体が出てきて形になっていく)
ジェイ『来たな…』
(部屋の中に蛇型の大闇人が現れる、ジェイを睨みつける目が赤く輝く)
大闇人『アアアア…ダレダ…!!』
(ジェイが拳を構える)
ジェイ『おれはジェイ 守りてェ結婚式(モン)あるからここに来た』
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