第3話 "覚醒の光"

(朝、ジェイが通学路を歩いている、道端で新聞を読んでるおじさんがいる)

ジェイ『おはよう シーザーおじさん』

シーザー『おはよう おジェイ君 今日も学校かい?』

ジェイ『そうだよ 来年からは騎士になって世界を守るんだ!!』

シーザー『そりゃ何より けど騎士になるには力が強いだけじゃ足りない 知識も大事だ 分かってるかい?』

ジェイ『心配ねェよ 強けりゃいいんだ』

シーザー『……』(困ったような表情)

ジェイ『今日この街にいるって事はウチでご飯食べんだろ? じゃあまたあとで!!』

(ジェイが手を振りながら歩き出す)

シーザー『大丈夫かな おジェイ君』

〜騎士養成学校 エディスピア校〜

(教室内で教師が教科書を手に持ちながら講義している、8歳くらいの生徒たちが真剣に聞き入る)

先生(講義口調で)『じゃあ 改めて世界の歴史について確認するぞ この世界は大地の世界(ギュラン)と呼ばれ この世界に生きる者は地人(チビト)と呼ばれる』『そして 海の向こうの世界は海の世界(パーマリン)と呼ばれ その世界に生きる者は(ウミビト)と呼ばれる 地人(チビト)と海人(ウミビト)は長い間争いを続けている』

生徒達 (不安げに)『そのうちまた戦争になるんじゃ…』

先生『戦争が起こる可能性は否定できない だが 騎士はまず闇人(ヤミビト)との戦いに集中しなければならない』


生徒達『先生!! 持ち人(ホルダー)って人が騎士と一緒に闇人(ヤミビト)と戦ってくれるんだよね?』

先生『よく勉強してるね 世界にはそれぞれ 砂・炎・金属・水・光・重力を操る能力者がいると言われている』『その6人は持ち人(ホルダー)と呼ばれ ここ大地の世界(ギュラン)では今 砂・炎・金属の持ち人(ホルダー)が見つかっている』

生徒達(手を挙げる)『先生!! どうやったら持ち人(ホルダー)になれるんですか!?』

先生『いい質問だ 持ち人(ホルダー)になる方法は3パターンある

❶死亡した持ち人(ホルダー)から離れた精霊(スピリトス)に選ばれる

❷継承を宣言した持ち人(ホルダー)から離れた精霊(スピリトス)に選ばれる

❸持ち人(ホルダー)から精霊(スピリトス)が勝手に離れて才能ある人間を選ぶ』『精霊(スピリトス)から選ばれるには力が強いだけでなく色んな知識や思いやりの心が必要だ!! 力が強いだけの先輩を真似しないように!!』

生徒達『はい!!!』


(ジェイたち最終学年の教室、ジェイはダンベルで腕を鍛えている)

生徒達『あいつ またトレーニングしてるよ』『でもこの間の実践で大闇人(マニュス)3体もやったのあいつだけらしいぜ』

(先生がくる)

先生『今日も 闇人(ヤミビト)の階級・総力から 騎士の対処や連携を考える』『まずは闇人(ヤミビト)の階級と総数から"総力"を正確に算出しろ これは騎士になって一番最初にやる仕事で国民全員の命に関わる』『よって毎回おさらいしていく 今日はティールが説明してくれ』

「ティール・マルヴォリ、地人(チビト)、ジェイの親友」

ティール『はい 闇人(ヤミビト)の階級は5種類あり 下から順に考えます

❶小闇人(グル) 群れで行動します 1体につき総力は10

❷大闇人(マニュス) 鬼や恐竜のような見た目で火を吐きます 1体につき総力は1,000

❸将闇人(ジェネラル) 知能が高く会話ができ 属性攻撃を持ちます 1体につき総力は1万』

❹王闇人(レックス) 持ち人(ホルダー)同等の攻撃をもち 見た目は完全に人間です 1体につき総力は10万

❺皇闇人(インペラトル) 闇人(ヤミビト)のトップで見た目は完全に人間だと言われています 総力は10万』『将闇人(ジェネラル) 以上の場合 騎士団長・持ち人(ホルダー)への協力要請が必須で これは攻撃が効かない場合が多いためです』

先生:『よし 来年からもそれを大切にしてくれ そして…』

(先生がジェイの元へ)


先生『ジェイ!!! お前は筋肉ではなく知識をつけてくれ!!!』

(夜 家で夕飯を食べながら)

シーザー『また授業中に怒られたんだって? おジェイ君』

ジェイ『ああ 知識をつけろだってさ 大切なのは行動だろ? おれは大切なモン守れるように行動するだけだ』

シーザー『確かに 人は行動が全てだよ だけど知識なしに行動して勝てるとは限らないじゃないか』

ジェイ(色々と思い出しながら)『知識があっても… 強くなきゃ誰も守れねェよ』

モハメド『じゃあ聞くが もし大闇人(マニュス)10体 総力1万なら おまえはどうする?』

ジェイ『拳でフルボッコを10回』

モハメド『将闇人(ジェネラル)1体 総力1万なら?』

ジェイ『同じくらい拳でフルボッコ』

モハメド『それができないのが将闇人(ジェネラル)だ』

(ジェイが立ち上がる)

ジェイ(声を上げて)『なんでそんな偉そうに語れるんだよ!!! おとうは騎士時代弱すぎて戦えてねェんだろ!!?』

(モハメドがジェイの胸ぐらを掴む、モハメドの方が小さいのでモハメドはジェイを見上げる)


モハメド『お前に死んで欲しくないからに決まってんだろうがァ!!!!』

(ジェイが腕を払う)

ジェイ『親なのに信じてくれないのかよ』

モハメド『信じてるさ だからこそ言ってる』

(シーザーが間に割って入る)

シーザー(強い眼差しで)『まぁまぁ 落ち着きなさいよ おジェイ君』

ジェイ『おじさんには関係ないだろ!! 騎士でもねェんだから』

(ジェイは包帯を手に取る)

ジェイ『トレーニング行ってくる』

(居間に残ったモハメドとシーザー)

シーザー(笑いながら)『いやあ親子だねえ』

モハメド『……そう見えるか…?』

シーザー(笑いながら)『気持ちの強さはお前譲りだよ』

モハメド(苦笑いしながら)『……そうかもな』

シーザー(からかうように)『お前 剣術はさっぱりだけど 人を想う気持ちは騎士一だもんな』

モハメド『……前半は余計だ』


(数日後、休み時間、ジェイとティールが廊下で話している、ティールはいつも本をもっている、ジェイが懸垂している)

ティール『お前 校長の息子だろ? コネとかあんのか?』

ジェイ『あ? ねーよ』

ティール『いや お前がコネで騎士になるとか うるさい奴らがいるんだよ』

ジェイ『知らねェよ… おれが強くなって世界を守れりゃ そん時に実力だってわかんじゃねェか!?』

(突然、警報音が鳴り響く)

警報『裏通路から脱出せよ 裏通路から脱出せよ』

(先生と学校を守る騎士が集まる)

先生達『何があったんですか?』

モハメド『近くに将闇人(ジェネラル)が1体 総力は1万』

先生達『砂の狼煙は?』

騎士達『あげました アルさんが来るまで私たちが時間を稼ぎます』

モハメド『俺も行く』


(生徒達と先生が裏通路に向かって避難する)

ティール(少し震えながら)『これはただ事じゃなさそうだな 将闇人(ジェネラル)か』

ジェイ『将闇人(ジェネラル)…』

(ドーン!!!!、爆発音がする)

(ジェイが外を見る)

ジェイ『…!!!』

(ジェイが走る)

ティール『オイバカ!! 戻れ!!』

(外では学校の門や壁が破壊されている、モハメド・騎士達と将闇人が対峙している)

モハメド『我が校に何の用だ』

「トロール、闇人(ヤミビト)、将闇人(ジェネラル)」

トロール(低く響く声で)『ここに”新金属”があると聞いた 渡してもらおう』

モハメド『……!! やはりそうか…!!』

騎士達『一斉に行け!! 団結して攻撃を仕掛けるんだ!!』

(騎士たちは息を合わせ、一斉に将闇人へ向かって剣や槍で突撃)

(ドン!!!!)

騎士達『……!!』


(トロールに剣や槍が通らない)

トロール『無駄だ ザコは攻撃を通せやしない』

(トロールは軽く手を振り騎士たちを吹き飛ばす)

騎士達『くっ…攻撃が全然通る気がしない』

トロール『オレは ザコの魂を奪う気はない 大人しく”新金属”を渡せ』

(ジェイが走ってくる)

ジェイ『オオオラァ』

(ゴッ!! ジェイがトロールの顔を殴る トロールがグラつく)

騎士達『す…すごい!!』

モハメド『…!!! おい!!』

トロール(ニヤリと笑いながら)『ほう 少しはやれそうだな 名は?』(顔からパラパラ破片が落ちている)


ジェイ『おれはジェイ 守りてェヤツいるからここに来た』

モハメド(怒鳴るように)『ジェイ戻れ!! おまえにはまだ無理だ!!』

ジェイ『やってみなきゃわかんねェだろうが!!』

トロール『若き戦士の卵よ アイツは大切な存在か…?』

ジェイ『ああ おれのおとうだ』

トロール『そうか じゃあちゃんと守らなくちゃな』

(トロールが構える 身体中に電気が走る)

モハメド(怒鳴るように)『ジェイ逃げろ!! アイツはまだ能力を使ってねェ!!!』

(ゴン!! トロールが一瞬で距離を詰めてジェイが殴られる ジェイが吹っ飛ぶ)

騎士達:『なんだあのスピードは!?』『雷!?』


トロール『そうだ オレの属性は”雷” 誰もオレの拳は避けられねえ』

(ジェイが立ち上がる 一撃で丸焦げ、ボロボロになっている)

ジェイ(マジかよ… 一撃でこれかよ… 将闇人(ジェネラルってこんなに強ェのかよ…)

トロール『もう終わりか… つまらんな』

ジェイ『ハァ…ハァ…まだま…』

(ジェイは膝から崩れ落ちる)

モハメド『ジェイ!!!』

トロール『若き戦士の卵よ 闇人(ヤミビト)はどんな人間の魂を奪えば 強くなれる思う?』

ジェイ『ハァ…ハァ…強ェ人間だろ…?』

トロール『違う…』

(トロールが構える 身体中に電気が走る)

(トロールがモハメドの方を向く)

トロール『絶望した人間だ』

騎士達『…!!』

(モハメドがガードする 騎士達がモハメドの元へいく)


ジェイ『…ハァ……おい やめろ』

(ゴウ!! トロールが動き始める)

~過去シーンが流れる~

(出会い、『よしジェイ 今日からおれと一緒に暮らそう』)

(トレーニングを応援、『いいじゃないかジェイ!!』)

(ジェイの後悔、『信じてるさ だからこそ言ってる』)

~~~~~~~~~~~

ジェイ『やめろォオオオオオア!!!!』

(空から緑の光が落ちてくる)


(ビカーン!! 巨大な緑の光の爆発が起きる トロールは吹っ飛ぶ)

(ジェイが立ち上がる、体から白い光を放つ)

モハメド・騎士達『なんだ…あの力は…!?』『持ち人(ホルダー)なのか…!?』

(吹っ飛ばされたトロールが立ち上がる)

トロール(ニヤリとして)『ここには持ち人(ホルダー)は3人しかいないはずだ その力は一体なんだ…!?』

ジェイ『わかんねェ』

トロール『ハッ!! 力の使い方もわからんだろう!?』

ジェイ『わかんねェ』『でもとりあえず』

(ジェイの拳に白い光が集まる)

ジェイ『歯ァ食いしばっとけ』

(ジェイの足に白い光が集まっている トロールの元へビュンと加速する)

トロール『ハァ!?』


(ゴン!!!!!、ジェイの渾身の一撃、拳をぶちかます、トロールの顔が変形している)

(トロールが吹っ飛ぶ)

モハメド『…!!』


(トロールが立ち上がる、何かに気づく)

トロール『…!! さすがに分が悪いな』

(黒い闇のゲートが空中に現れ、トロールが異世界へ帰る)

トロール『また会おう 若き戦士の卵よ』

(ジェイは追いかけようとする)

ジェイ『おい!! ちょっと待てよ!!』

?『待つのはてめェだ』

(その時 誰かがジェイの肩を抑えて引き止める)

(ジェイが振り返る)

ジェイ『…!!』

(アルが立っている)

アル『久しぶりだな…小僧 その力について教えろ』

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