第4話 【再会】
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シリーズ
人外の主人シリーズ
【再会】
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本文
見知らぬ地に向かうことになったアントラだが、少し不安気な表情を
していた。
同じ種族でも関わりが少ない自分が、果たして違う種族と関わりをもてるのだろうかと……。
アントラ「…はぁ…、向かうと決めた以上、行くしかないか……。」
アントラは、ゆっくりと……歩き始めた。
森を抜け……山々を登っていく…。
しばらく歩いていると、アントラよりも大きく、頑丈な扉が目の前を塞いでいる。
扉の両側には、護衛が2人居たので、アントラは聞いてみることにした。
アントラ「あのっ……すみません。この扉の先に行きたいのですが……。」
護衛は、反応をしないどころか微動だにしない。
アントラは何度も護衛に話しかけたが、変化は起こらなかった。
アントラ「…やはり、無駄だったか…街に帰ろう……。」
落ち込んだ表情をしながら、後ろを向くと
奥から、何か物音が聞こえてくる……目を凝らすとそれは、
食糧や素材を運ぶ荷車だったのだ。
荷車を止めた主人が、護衛の元には行かず何かを扉にかざす。
すると、微動だにしなかった扉が開いたのだ。
アントラ「(よし、あの荷車に隠れれば……あの中に入れる…)」
アントラは咄嗟に荷車の中に入り、身を隠す。
それを知らない主人は、また荷車を動かし走り出す。
しばらくすると、自分の街とは違う種族や人々が入りまじる場所にたどり着く。
アントラは、バレないように荷車から降り再び歩き始める。
アントラ「…なんて美しい街だろう。私の住んでいる所とは違うなぁ……。」
そう言いながら、辺りを見渡たすと…不思議な光景を見る。
古びた服装をした幼い子達が歩いているのだ。
縄を付けられ、商人らしき人物が連れて歩いている。
アントラは、驚きを隠せなかった。
アントラ「…何故、あんな酷い事を…。」
村人「…あんた、知らないのかい?この街では、身寄りのない子達は
ああして、商人に売られるんだよ……。」
アントラ「…えっ!?」
村人「身寄りのない子達は、あの後に選別されるのさ。
『人間の男』は『密猟者』や『騎士』、『人間の女』は『奴隷』か『召使い』……」
村人が話している途中、アントラがあの時の少女を見つける。
アントラ「あ、あの時の……!」
アントラは思わず、少女の元に行こうとしたら村人に止められてしまう。
村人「お兄さん…あの子は辞めといた方がいい。あの子は『忌み子』だ。」
アントラ「『忌み子』って…?」
村人「あの子はね、魔女に育てられた子なんだよ。あの子の『赤い瞳』が何よりの証拠……らしいけどねぇ……。」
アントラ「らしいって……本当の事ではないんですか?」
村人「…そりゃあ、色々な種族を見てる訳では無いからねぇ。詳しくは分からないよ。」
アントラ「…そうですか……。」
アントラは、村人に聞いた話をも参考に調べようと決意した。
その後、村人に書物がある場所を教えてもらい、歩き始める。
しばらくすると、大きな建築物に着く。
アントラは、ゆっくりと扉を開けていく。
アントラ「…こんないっぱいある書物は初めてだぁ……。レイズも連れてくればよかったな……」
周りのありとあらゆる書物や本に目を奪われながらも、お目当ての
『魔女』や『赤い瞳』に関する本や書物に目をこらしていった。
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