第6話 それは、魔法の呪文。

 美里は、深呼吸をした。目の前には、ガムテープで封印された襖がある。


『開けちゃダメ。』と書かれた張り紙を無視して、ガムテープを剥がし、襖を開ける。そこには、封印前と変わらず、異世界ダンジョンへと続く扉があった。


「本当にいいの? 死ぬかもしれないよ」


「旦那さんの死体でも見せなきゃ、美里さんは、俺と結婚してくれないからね」


 松本の言葉に、美里は救われた。


「装備を整えなきゃね」


 美里は、『トリあえず』の呪文をかける。


 美里は魔法使い、松本は剣士の姿に変わる。


「行こう。生きるために」

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