3ー2

曾て、神々の世界で、生まれ変わっても、記憶の事に関して、取り上げられた事があったと、闇炎から聞いた。

その席で、ある人物が言った。


『神々は…記憶と共に、生きる場合もある。ただ、生まれた環境により、著しく、差が出てくるのも確か。だから、私達は、試すのだよ…』


人間の在り方が、如何に、影響を及ぼすのか。

神に、仕える神職を仕事にする者は、元から霊力があり、神聖な場で、育った者は、言わずと、知れている神力を手にする。

それが『紅月家』だという事を、肝に銘じてはいるが、稀に、闇亜みたいな子が、誕生するのも、事例に上がっていて、決して、彼女が、劣等している訳じゃないと、親として証明したいのが、正直な気持ち。


だけど…。


これは、自分から目覚めなければ意味を成さない。


「尚更、第一楽団長を、支えさせるなら」


僕は、力を付けるべきだと思うんだ。


前世の頃の闇亜って…。


どんな感じで、力と触れ合っていたのかな。


僕みたく、突発性?


それとも…。


-…闇炎みたく、元から備わっている?


どっちだろうね、闇亜。


「お堅物、エニシア」


君は、有名だよ。


紅月家に仕える中で、一番、闇亜に近い存在なんだと。


流石、闇炎が、姿を、消してまで、願う価値がある。


「神の息吹に、光を込め、炎と灯す」


紅月家に、生まれたら、神の力を使わずとして、どうする。


生きたいなら…。


使わなきゃ、持ち腐れだよ。


「既に、鐘は鳴ったんだろう」


『…』


「で、僕に言う事は?」


『何故、俺が、炎夜に…』


其処は…。


素直に、謝りなよ。


ドシアル。


「相変わらず、素直じゃない。僕が、砂漠で、日干しになったら、家に帰る頃は、ミイラだよ。主が、ミイラになっても良いの?」


『-…なれるならなったら。無理だろうけど。炎夜の場合は…』


いつの間にか、戻ってきていたドシアル。呆れた表情で、藍色の瞳が、僕を映す。









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