孤独の砂
「爺さん!」
少年は今にも破けそうな想いで爺さんに言葉をぶつける。
「はは、そんな叫ばなくても聞こえとるわい」
爺さんは急に倒れ、ソファで寝たきりだったのだ。
「僕に出来ることはない!?」
「……今のお前が出来ることは何もない。ただ、願いがあるとすれば、この世界で今もどこかで生きているかもしれない人と健やかに過ごして欲しい」
「爺さん!何言ってるの‼そんな死ぬ間際みたいな――」
少年は不安と焦燥に駆られる。
「嘘をついていた。あの傷を受けた時点でもう先は長くないと分かった。」
「爺……さん?」
「あんまり心配をかけたくなくてのう」
「何か……何か僕に出来ることは無かったのかよ!」「何もない。この世界で生きていく術はもう教えた。日記も書き残した。」
「爺さん!死んじゃいやだよ」
「……」
「爺さ――ん?」
少年の前で爺さんは息切れてしまった。
少年は落ち込み、何をするのも手がつかなくなってしまった。
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