決意

 少年の朝は早い。朝5時に起き、地下2階で自働にじょうろへ入っている水を植物にあげる。

 水をあげたら、爺さんが決まった量の食事を2人前用意するから、食べに地下1階へ行く。

 そして簡素なご飯を食べたら、爺さんは外へ出かける。

 だけどこの日は、爺さんは外へは行かず、部屋のソファで座っていた。昨日腫れていた足には包帯が巻かれていた。

「爺さん」

 その足を見て、少年はまた不安になる。

「大丈夫じゃ」

 爺さんは少年が足を見る度に口癖のように言った。

 ある日のこと、爺さんが少年を1階へ連れていった。

「ここは……?」

 1階の外へ続く扉は重たい鉛の扉で、外から何かを守るかのように頑丈に作られていた。

 部屋の中は工具や、謎の機械や、服が散乱していた。

「外へ出るための準備の部屋じゃ」

 そう、爺さんは少年を外へ連れて行こうとしていた。

 少年は、外へ希望や期待で胸を踊らせた。

「まず、服をきようか」

 茶色の特殊な服を着る。

 そして厚底のブーツを履く。中には鉄板が入っていて、危険物を踏まないようになっている。ブーツの布も防塵、防水、防火処理されているほど頑丈になっている。

「次はこのゴーグルを付けるんじゃ」

 ゴーグルを付けると不思議な画面が浮かび上がった。

『接続してください』と表示されている。

 ゴーグルは防塵、電子パネルがついている。

「これを繋ぐぞ。」

 ゴーグルにスマホを繋ぐと、ゴーグルに様々な画面が表示される。残り残量と、現在位置と方角が表示されている地図、風速、天気が表示されている。

 スマホを胸ポケットに入れる。

そして、腰にサバイバルナイフを付ける。

爺さんがスカーフを巻き、手袋を渡す。

「その手袋は外では必ず着けるんじゃぞ」

手袋は耐熱・防塵・防寒・防水処理が施されていた。

爺さんも同じものを付ける。

「それじゃ、外へ行くぞ」

重厚に閉ざされた鉛の扉をゆっくりと開ける。

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