31つ目の友情

 「学校の話を嫌がるのは?」ともう一つの方を聞くと、「お前だって、したくない過去の話の一つや二つあるだろう?まっ私はありすぎるんだけど。」と笑って立ち上がった。「僕は前に学校のことをたくさん話したのに、後悔ちゃんが何も話さないのはズルくない?」彼女を見上げてそう言うと、「ガキってすぐズルいとか言うよね。」と返してきたので、「ガキって何?前に大人扱いするなって言ったの後悔ちゃんだよね?」と今度は言い返してみる。すると、目を大きく見開いてから、「そーゆーの覚えててくれるタイプなんだ。」とだけ呟いた。

 「友だちとの会話は覚えてるでしょ。」当たり前だろうというテンションでそう言うと、「そっか。」とだけ呟く彼女。しばらく静寂が流れた後、「私、友だちいなかったからさ。」とだけ言ってしゃがんだ。「え?友だちがいなかった?1人も?」後悔ちゃんとの距離を詰めながらそう聞き返すと、「・・・1人だけいた。その子のせいで、友だちの概念がわからなくなった。」と。友だちの概念?友だちに概念なんかある?一緒にいて楽しかったら友だちじゃない?と思ったが、彼女の雰囲気から言ってはいけない気がしてギリギリで飲み込んだ。

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