第7話 生き返ったメイド達。
「これで全員生き返ったよ!」
軽い調子で言うロアスだったが、アルラとセリナは驚いた。
なんと1人1人生き返らせるのではなく一気に6人同時に蘇生したのであった。
目の前のことが信じられず目を見開いているアルラとセリナだったが、生き返ったメイド達はわけがわからず自分の首が繋がってることや、他に異常がないか確認していた。
そしてアルラを見てロアスを見たメイド達は、
「お嬢様お下がりください!
私達が盾になります!!」
すぐにアルラを守る行動をしたのであった。
だがその腕や体を見ると全員が小刻みに震えてるのがわかる。
それもそうだろう、ついさっき手も足も出ずに全員の首が飛ばされたのだから。
「へぇ!
すごいねメイドさん達!
蘇生してから状況把握してすぐに行動するなんて!!」
素直に褒めるロアス、
「良いのです。
皆さんもう良いのですよ?」
慈愛がこもる目でメイド達を窘めているアルラだったが、メイド達の反応は、
((((((誰この人?!))))))
全員が呆けて、そして気持ちが揃った。
リーダーのようなメイドがすぐに我に返り、アルラの前で土下座をし、
「アルラ様!
貴方様を守れきれなく本当に申し訳ありません!!
この罪は私の首1つで他の人達の命は助けてください!」
そう涙ながらに懇願するのであった。
だが、そこで空気を読まないやつが一言、
「へぇ!
アルラその人殺すの?
それに他の人も?」
少し軽いノリで言うロアスだったがアルラは慌てて、
「滅相もございません!!
ロアス様が蘇生魔法で生き返らせた尊い命を私が散らすはずがありません!!!
そのようなことは絶対に有り得ません!!!」
と、土下座で言うのであった。
「「「「「「 お嬢様!! 」」」」」」
メイド全員が驚いた、あの高慢ちきで自分中心でないの気が済まなくて、嫌なことあればすぐにカンシャクを起こし、気に入らないって理由で平民を拷問したりetc…、やりたい放題だったアルラ様が土下座しているのだ、驚かない人はいないだろう。
「そうなんだ!
なら良かったぁー、せっかく生き返らせたのにまた殺すのかと思ったよ!
生き返らせたのも、自分で終わらせる為にわざわざお願いしたのかと思ってたけど。
違って良かった!
あっもう顔上げてよ!
ほら席に座って座って!」
「なんとお優しい…。
ありがとうございます。
では失礼をしてまた椅子に座らせてもらいます。」
そう言うロアスにアルラは感動している。
そして椅子に座る。
メイド達はアルラの態度もだがロアスの生き返らすという言葉が気になった。
代表としてなのかリーダーみたいなメイドが聞いてみることに。
「あのアルラ様、先程からそちらのばッ…、いえロアス様が、生き返らすなどと言っているようなのですが、どういうことでしょうか?
確かに我々は死んだと思いましたが生きていますし幻覚とかでしょうか?」
当然の疑問だろう、もちろん答えは?
「こちらのロアス様に私達は全員殺されました。
それは間違いありません。
ですが、こちらのロアス様は何と蘇生魔法を使うことが出来たのです!
しかも高位神官達のように1回しか使えないわけではなく何度も使えるのですよ!!
素晴らしい力だと思いませんか?!
強く…そう!とても強く、そして美しくそしてお優しい……。
本当に何て素晴らしい方なのでしょうか。」
そう言うアルラにロアスは困惑する。
(さっきまであれだけ泣き叫んだりしてたのに凄い変わりようだね。)
自分が原因なのにどこか達観しているロアスであった。
「えっ?
我々は本当に死んだのですか?
それに蘇生なんて、そんな貴重で高度な魔法を私達のために?」
「そうだよ?
斬ったのは僕に敵意を向けたからだよ?
敵意を向けられたらそりゃ斬るしかなかったんだ。
何もしないならセリナみたいに斬らなかったかも?
それに蘇生魔法ってそんなに難しいだね。」
そうロアスが言うと、
バッ!バッ!バッ!ズザー!バッ!
5人のメイドがロアスの前に頭を下げた。
そしてリーダーがゆっくりとロアスのところに歩き同じように頭を下げる。
「この度は敵意を向けたのにも関わらず慈悲により生き返らせて頂いたこと本当にありがとうございます!!」
「「「「「ありがとうございます!」」」」」
メイド6人が同時に頭を下げロアスに礼を言う。
戸惑うロアス、斬った自分に対して思う所もあるだろう。
だがメイド達は礼を言った、生き返った事に本当に感謝をして伝えたかったのだ。
「どういたしまして!
…でいいのかな?」
ロアスは戸惑いながら答えた。
そしてメイド達が顔上げすごくいい顔をして、
「「「「「「 はい!本当にありがとうございます!! 」」」」」」
【あとお嬢様を更生させてくれて!】
と礼を再度言うのであった。
副音声が聞こえた気もした。
それに約1名スライディング土下座でやったせいか額が赤くなってるが、生き返れたことを本当に喜んでいるようだった。
ーーーーーーーー
「それでこれからのことを相談したいんだけどいいかな?」
と、アルラに聞いてみる。
「はい、どのようなことでしょうか?」
「正直、僕旅をしてまだ日が経ってなくてこれからどうしうかと適当に歩いていたら皆が襲われていたんだよね。
関わり合うの面倒だなぁって思ってそのまま通り過ぎようとしたらこんな事になってるんだよね。」
と、少し愚痴気味に話すロアス。
「なるほど、そうだったんですね。
本当にタイミング良く出会ったんでしょう。」
斬られたら普通はタイミング悪いはずなのに、タイミング良くと言うアルラはどこかおかしくなったかもしれない。
何しろ面倒って言ったのに受け入れてるようだったからだ。
「それでアルラ達はどこに向かってたの?」
「私達は王都の帰りで伯爵領の領地に帰るところでした。
帰る最中に例の盗賊達に襲われたということです。」
「なるほどねぇ。」
そう会話をするロアスとアルラであった。
そこでアルラが思いつき、
「良かったら領地に一緒にいかがですか?
特に旅の目的がないのであれば領地行きそこで冒険者登録をなさるのがよろしいかと。」
「アルラ様それは良い考えかと思われます!
ロアス様、領地にあるギルドは規模が大きいので色々な依頼も受けれます。
きっとロアス様の為になること間違いないです!」
「セリナそうでしょ?
ロアス様いかがでしょうか?」
いつの間にかロアスの横にいたセリナが言えば、アルラが嬉しそうに言う。
「私もそれがいいかと思われます。
それに正直に言えば、ロアス様が宜しければなのですが。
このままお嬢様を守りながら、一緒に行動をしてくださるとお嬢様の安全は完璧と言っても過言ではありません。
なのでお願い出来ないでしょうか?」
リーダーメイドさんも同意のようだ。
周りのメイドも同じ思いのようで頷いてる。
「斬った本人が言うのあれだけど、そこまで信用ないでしょ?
それで本当にいいの?」
正直当てもなく旅をしていたからロアスからしたらありがたかったのだが、ロアスはふと疑問に思ったことを聞いた。
「それなら大丈夫です。
この通り生き返らせてもらえて感謝しかありません。
ロアス様がよろしければ護衛という名目で一緒に領地に行ってもらえないでしょうか?
戻った際には護衛料も支払いさせて貰います。」
アルラがそう言うとロアスは驚いた。
殺した相手を雇うと言うのだ。
これで断る理由もない。
「わかった!
よろしくね!」
「はい!
お任せください!」
ロアスのようやく街に行けるのだと嬉しくなり胸が高鳴るのであった。
「それと外の事の後始末どうしましょうか?」
セリナがそう言うと、
「そうだった…。」
高鳴る胸が急激に落ちていったロアスだった。
―――――――――――
どうも作者のG.Gです!
今回で令嬢がざまぁ更生しているということとロアスの規格外ぶりが徐々に出ていればいいかなと思ってます!
明日も是非お楽しみください!
アルラの更生の変化は近いうち書けたらなと思ってます!
すみません。
誤字があったので変更してます。
✕公爵領▶〇伯爵領
すみませんでした。
応援いつもありがとうございます!
作者の励みになってます!
本当にいつも皆さんありがとうございます!
よければ☆や♡などの評価も頂けたら幸いです!
朝8時と夜20時の2回投稿してます!
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