第5話 有り得ない魔法と、綺麗な土下座。
「急にうずくまってごめんねぇ…。
もの凄く恥ずかしくて……。」
少し回復したロアスはメイドにそう言うと、
「まぁ少し勢いが凄かったですが大丈夫ですよ。
お気になさらずに。」
メイドがそう言った。
ロアスはメイドの優しに感謝した。
だが以前と問題は何も解決してはいので再度聞いてみることにした。
「それで話を戻すけど、この後はどうしたらいいと思う?
攻撃しようとしたから、僕に斬られるのは当たり前として静かに考えことしたくて、取り敢えず全員斬ったんけど…。」
何事もなく言ってる少年にメイドは1度忘れた恐怖がまた蘇った。
そう目の前の少年は50人近くの人数を10分もかからず全員を斬り殺したのだ。
先程の姿からは想像出来ないほどの力を持ってるのは確実であろう。
そう思ったらまた震えて来たが、少年の問われてるため何か答えなければならない。
何か不愉快なことを言えば私も殺されるだろう。
そう考えたメイドはどう不愉快にさせないかを思考していると。
「メイドさんどうしたの?」
「ヒッ!」
急に声を掛けられ少し変な声が出てしまった。
「あっ、いえ…。
申し訳ございません。
そうですね、まず殺してしまってる人達の処理からがよろしいかと思われます。
この辺では聖職者様がいらっしゃらないので、可能であれば、すぐに火葬して死体がアンデッド化しないようにした方がいいと思われます。
その後は貴方様は逃げるか、それとも自首するべきかと。
貴族殺しですから恐らく逃げても指名手配され、討伐隊や冒険者などに追いかけられるので自首を進めます。」
そう進めるメイドではあるが恐らく自首してもこの少年は処刑されるであろう。
何故なら貴族の中でも上である公爵家の者を殺害したのだ、拷問されそのあと晒し首などになるはずだ。
そう考えていたら少年から、
「んっ?
まだ皆死んでないよ?」
「はっ、はィ??
いや、何を言ってるんですか?
今こうして貴方様がみんなを首を斬りましたよね?
この状態で死んでないってのは有り得ないんです!
自分のした事の意味分かってますか?!
あなたが皆を首を刎ねて殺したんです!
わかってますか??」
恐怖をまた忘れ一気に捲し立てるように、そして少年がちゃんと理解出来るように説明をするメイド。
だが少年は、
「えっ?
蘇生魔法を使えば皆生き返るよ?」
それを聞いたメイドは、
「蘇生魔法?!!
何馬鹿なことを言ってるんですか??
そんな魔法使えるのは聖女様か、それこそ英雄様しか使うことが出来ない魔法なんですよ?!
簡単に言わないでください!!
怒りますよ?!!」
既に、怒ってるメイドさん。
「そんなに、怒らないでよ。
蘇生魔法って、そんなに珍しいの?」
「怒ってません!!
…いいえ、今の感じは怒ってるのと同じですね。
謝罪します。
蘇生魔法ですが珍しいではなく使える人が限られるのです。
適正なのかはわかりませんが、私が知る限りでは誰でも使えるとは聞いた事ありません。 」
ロアスの、言葉に一瞬ヒートアップしたメイドさんだが冷静になり蘇生魔法について一通り説明をした。
「なるほどね…。
ちなみに君がもし蘇生魔法を使えるとして、この状況下で生き返らすとしたら誰がいいかな?」
意味がわからないことを言う少年だった。
生き返らす?
そんなことは絶対無理である。
わたし周りにどころか、今この国でも使える人は恐らく4人ぐらいに限られるからだ。
だが、少年は私の答えを待っている。
「そうですね…。
それならやはりお嬢様かと、性格にはかなり難ありですが、この辺り一帯の公爵領の次女ですので、1番の権力を持っていますし。」
そう話しを聞いたロアスは、
「お嬢様って誰?」
「あなたが!
さっき!!
最後に首を斬った方です!!」
あまりの言い草に少し強めに言ってしまったメイドさんでした。
「あぁ!
さっきの何か偉そうにしてた人ね!
りょーかい!」
また軽い調子で言ってしまう少年にメイドは、
「あなたは、いったい何を考えているんですか?」
「まぁ見ててよ!」
そう言うと少年は、お嬢様の死体に向かって手をかざすと、
「《蘇生ーリーアニメイションー》」
聞いとこともない魔法を唱えた。
すると、
「えっ…?」
お嬢様の身体が光った、そして首もくっついていき、さっきまで蒼白な顔だったはずのお嬢様の顔に赤みがおびてきた。
光が収まると、
「あれ?
さっき私は斬られたはず…。
身体をゆっくり見て…そして気が遠くなって………。」
生き返った令嬢。
そして、ゆっくり周りを見渡し、
「やぁ!」
元凶と目が合った。
「いっ!
いやぁぁぁぁぁぁぁぁあぁあぁぁ!!」
「うるさい!」
ザシュッ!
またロアスは斬る。
「ねぇ?
本当にこの子?
物凄くうるさかったけど?」
「はい…。
この方で間違いないのですが…。
えっ?
あの?
今生き返りましたよね?」
目の前で有り得ないことが起こった。
そう蘇生魔法だ、だがメイドさんは未だに信じられず呆然とし、何とか少年の問いに答えたメイドさんだがやはり信じられてなかった。
「そうなんだ…、ハァ……。
《蘇生ーリーアニメイションー》」
また謎の魔法を唱えた。
そうするとお嬢様がまた生き返った。
そしてまた元凶と目が合えば、
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁあぁあぁぁ!!
化物!!!!!
来ないでぇぇぇぇぇぇぇえぇ!!」
今度は逃げるように走ったが、すぐ捕まった。
「ちょっと話聞いてもらえる?」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁあぁあぁぁ!!
触らないでぇぇぇぇぇぇぇえぇ!!」
ザシュッ!
また斬った。
「ハァ…。
《蘇生ーリーアニメイションー》」
そしてまた蘇生した。
同じことの繰り返しかと思ったら今度は、
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁあぁあぁぁ…あぁ………。」
顔見るなり気絶した。
「もう!
人の顔見て、叫んだり寝たり面倒な人だな!
ほら起きて!!」
パン!パン!パン!パン!
と、ビンタを始めた。
「痛いですわ!!
誰です…か…?」
「やぁ!
話をしようか?」
ロアスがそう言うが令嬢は、それどころではなかった。
「夢じゃなかった?
じゃあ何で私は生きてるの?
殺されたはずなのに??」
錯乱しているのかブツブツと何かを言っていた。
そして何を思ったか唐突に、
「殺されたと思ったけど、きっとこれは幻覚なのよ……。
そうよ!
そうなのよ!
私が死ぬはず無いものそんなこと有り得ないわ!
そこの平民!!
よく……モ?」
また斬られるのであった。
「もう!!
本当に面倒くさい!
《蘇生ーリーアニメイションー》」
また生き返った令嬢は、
「この平民!
また私を殺す幻覚を見せたわね!
貴方なんかしょ…。」
ザシュッ、《蘇生ーリーアニメイションー》
「話を聞き…な…さ。」
ザシュッ、《蘇生ーリーアニメイションー》
「いいか…げ…。」
ザシュッ、《蘇生ーリーアニメイションー》
傲慢な令嬢が喚く→斬られる→蘇生される→令嬢が喚く→斬られる→蘇生される→喚く…………。
何度も繰り返されるそれを、ただ見てるしかなかったメイドは遠い目をしている。
すでに現実逃避をして今や悟りを開いたかもしれない。
そして…。
「大変申し訳ございませんでした。
非礼をお許しください。
これ以上、私を殺さないでください。
本当に申し訳ございません。
許してください。
お願いします。」
綺麗な土下座で許しを乞う令嬢がそこにいた。
そしてロアスは、
「ようやく話が出来るよ〜…。」
やっと話が進めると安堵したのであった。
―――――――――――――――
どうも作者のG.Gです!
今回は蘇生魔法でのゴリ押しでしたね!笑
メイドさんも呆れるどころか悟りを開くぐらい、目の前で起きたことが信じられなかったのでしょうね笑
応援いつもありがとうございます!
作者の励みになってます!
本当にいつも皆さんありがとうございます!
よければ☆や♡などの評価も頂けたら幸いです!
朝8時と夜20時の2回投稿してます!
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