第4話 恥ずか〇。
「さてと、父ちゃんが少しでも攻撃されたら、まず殲滅して静かにさせてからゆっくり考えろって言ってたんだけど…。
盗賊もだけど、騎士やこの子達も何で僕に攻撃したんだろう?
こっちは攻撃する気がないのに攻撃してきて、ちょっと斬ったら全然避けもしないし…。
途中から逃げる人もいたよね…。
あと、偉そうな人が意味がわからないこと言ってたけし…。
ハァ……。」
ロアスは知らない、騎士や盗賊も本気で攻撃をしていたことに、自分が今まで相手にしていた人達があまりに規格外の人達なのを、対人戦闘の基準が前提でおかしいことに。
「いくら考えてもわからないや…。
ねぇ…そこにいる君はどう思う?」
誰もいないはずの空間に話しかけるロアス。
するとその空間が揺らいで1人のメイドが怯えながら出てくるのであった。
「こ……殺さないでください……。」
土下座で殺さないように懇願するメイド。
だがロアスからしたらどうでもいいことである。
このメイドが隠れていたのは最初からわかっていた、では何故生かしたか?
このメイドは他のメイド達がロアスに攻撃している時でも、王女を殺すときでもずっと隠れていたのだ。
生きる為にしたことなのかはわからないがロアスに攻撃する意思もなく、ただそこに嵐が過ぎるのを静かに待ってるようにずっと隠れていた。
基本的に逃げるのは悪いことではないとロアスは思っている。
自分だって逃げるし、ゴッちんに至っては脱兎のごとく逃げる。
ただ上手く逃げないとすぐに捕まるし、先程の盗賊達みたいにすぐ殺されるだろう。
だがこのメイドは逃げることに、いや生きる残ることに集中していたのだ。
そこにロアスは興味を持った、仲間や主人までも見捨ててまで生き残ろうとした理由が少しだけ気になったのだ。
「少しでも攻撃をする素振りや、気配がしたら斬ってたよ。
でも君はずっと隠れていたよね。
あわよくば僕が気付かずに出ていくのを期待していたのかな?
でも入ってた時から気配はあったし…。
全然隠れてきれてなかったから、何かするまで放置してたんだよね。
全然何もしないでそこに隠れてるから気になったんだ。
それで何でずっと隠れていたの?
仲間の敵討ちや、主人の仇討ちするかなっては考えてすぐに斬る準備はしていたんだけど。」
斬る準備をしていると言われたメイドは、ビクッと反応していた。
そしてどう伝えるべきか迷っている。
素直に話した場合は掟を破り、嘘をついた場合はバレたらすぐに殺されるだろう。
思考錯誤をして頭フル回転していると、目の前の化物から驚くことを言われた。
「さっきの、消えてたやつって闇魔法だよね?
多分だけど、君さ暗殺者だよね?」
この一言に目を見開いて驚いたメイドであったが表情を読まれないように、すぐ顔を元に戻したのがロアスはそんな変化もすぐに気づく。
「その反応はやっぱりそうなんだね!
さっきの消えるやつって、陰魔法を再現しようとしてやったんでしょ?!
わかる!わかるよ!
その気持ちはよくわかる!!
暗殺魔法はかっこよく、そして美しいよね!
あれは正に芸術だよ!!
君のはまだまだだけど、その再現しようとするそのチャレンジ精神はすごいよ!!
他に陰魔法以外は、どんな暗殺魔法を再現しようとしたの??」
ロアスは喜んだ、父ちゃんが使っていた暗殺魔法で1つの派生である【陰魔法】は異世界人であるシンヤにしか使えなかった。
こちらの人はきっと父ちゃんの暗殺魔法を再現しようと努力したんだろう。
いろいろと試行錯誤をしてきたに違いない、先程のがそうなら何て素晴らしい努力なのだろうか。
こちらの魔法で頑張った努力の結果なのであろう、再現したことは本当に凄いことだ。
1人興奮気味に喜んでいたロアスに、ふとメイドを見ると、メイドは凄く…そう物凄く何か言いずらそうにしているのだ。
「あれ?
どうしたの??」
そう聞いたロアスは、
「その…、物凄く言いづらいのですが暗殺者ではなく諜報員なんです。
あと…、暗殺魔法の再現は出来てませんよ?
暗殺魔法は英雄であるあの方様だけの特別な魔法なんです。
そんなに簡単に再現出来るはずがありません。
それに私の先程の魔法は、一応難しい部類には入りますが、光を屈折させて鏡のように反射させるという魔法です……。」
「えっ…?
違うの…??」
「そのー…、はい…勘違いです。」
「…。」(ロアス)
「……。」(メイド)
2人はお互いに目が合い、どちらも気まずそうにする。
そしてロアスはその場にしゃがみこみ顔を両手で包み、耳まで真っ赤になってる。
めちゃくちゃ熱く語り、感動してメイドに質問をして答えを求めたらまったくの違う回答が出てきた。
勘違いであったのだ。
これは恥ずかしい。
「あの…?
勘違いは誰にでもありますので、
そのー……。
落ち込まないでください。」
と慰められるロアスであった。
恥ずか死というのがあれば、きっと彼のHPは今ゼロになって恥ずか死をしてたかもしれない。
「うぅ…。
慰めてくれてありがとう…。」
周りは首なし死体だらけで、血の海状態なのにロアスとメイドの間には場違いな空気が流れてるのであった。
――――――――――
どうも作者のG.Gです!
ロアスはシンヤのだけではなくレンの魔法に対してもこうなるかもしれません笑
応援いつもありがとうございます!
作者の励みになってます!
本当にいつも皆さんありがとうございます!
よければ☆などの評価も頂けたら幸いです!
朝8時と夜20時の2回投稿してます!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます