第3話 貴族令嬢の恐怖

馬車の中で侍女に守られてる令嬢がいた。

ガタガタガタガタガタガタガタガタガタ…

その令嬢はずっと震えてる。

あの恐ろしい化物はなんなのだ?

何故私がこんな目に?

ずっとこの問答をしている。

この世は貴族のためにあるはずだ。

なのに何故こんなことになったのだ?


ーーーーーー


武王国家ゲンブ ヒルダウン伯爵家 次女。

アルラ・フィ・ヒルダウン。


それが私だ、望めば何でも手に入る。

私に手に入らない物はない。

平民は私のために尽くすのが当たり前。

私を生かすために盾となることは誉で、自ら進んでやらないのは反逆者だ。

そうそれが平民の義務なのだ、義務をしない者は処刑するべきである。

私が贅沢する為に働くのも義務なのだ。

だから今回王都には買い物に行き、欲しい物をあるだけ購入した。


その帰りに盗賊に襲われた。

まったく平民以下のくせに私の帰りを邪魔するなんて万死に値する。

だが多勢に無勢、盗賊が40名程に対しこちらは15名の騎士しかいない。

1人また、1人もやられてしまった。

何て役立たずなのだろうか。

イライラする。

だが世界は私のためにあるのだきっと何とかなる。


騎士が10人になった時、1人の平民が通った。

若い少年だった。

これはチャンスだ!

私はやはり世界に愛されてる。

あの平民はきっと貴族の私のために喜んで命を差し出すだろう。

それがあの平民の義務なのだ。

盗賊と戦うか、それとも私たちの盾になるのか、どちらをやっても私のためになるだろう。

そう思ってたらなんとスルーして立ち去ろうとするではないか?


「「「ちょっと待て!!!(待ちなさい!!!)」」」


あまりにも有り得ないことに私と騎士団団長とそして盗賊のリーダーらしきやつと見事にハモってしまったではないか。

最悪だ、こんな気持ちにさせたあの平民はもし生きてこの状況を切り抜けても処刑してやる。

そう思ってたら少年は興味なさげに振り返った。

なんて無礼なやつだ。

拷問してから処刑してやろうと、罰を追加しようと考えていたら、1人の盗賊が少年に近付いて叫んでた。


「テメー調子乗るなよ!

今すぐこっ………。」


何かを言い終わる前にその盗賊の首が飛んだ。

そう斬り落とされたのだ。

そして斬ったであろう少年の顔が見えた。

私はその顔を目を見て恐怖した…。

首を斬ったのに少年は何の感情も見せてなかったのだ。

ただ斬るのが当たり前のように、そして正確に次から次と斬っていく。

私は盗賊を斬っていってるので、私のためにやったんだろう。

そう思うことにしたのだが、その考えはすぐに覆った。

何と少年は騎士の首をも斬ったのだ。

その時にまたあの目を見た、やはり何の感情がない。


「化物……。」


私は恐怖しすぐに馬車に隠れた。

そして侍女達は私の盾になるために周りに集まった。

そうだこれだこれなのだ…。

私は守られるべきなのだ。

だが怖いものは怖い…。

外からは喧騒と悲鳴が聞こえてるくる。

耳を抑えても聞こえるし、目をつぶってもあの顔が見える。

悪夢だ、こんなのはあってはならないことなんだ。


しばらくして外からの音が聞こえなくなった。

終わったのか、ようやく悪夢が終わった。

だが悪夢は終わってなかった。


「さてと、確かあとは馬車の中にいたなぁ…。

貴族だからこいつらより面倒臭そう……。」


あの少年の声が聞こえた!

有り得ない、有り得ない、有り得ない!!

あの人数を全員倒したのか??

有り得ない…。


バチッバチッ!!


外から防御魔法が作動した音が聞こえた。

やった!

この馬車は魔道馬車だ防犯対策も最高の技術を使用しているのだ。

これであの化物は入って来れない!

そう喜んでいると。


ガチャ


何故かドアが開いたのだった。

いや何故防御魔法を突破したの?!

あれは魔怪獣クラスじゃないと壊せないはずなのに!

そして、あの化物が入ってきた瞬間侍女が攻撃した。

だが、外の騎士や盗賊のように首が飛ぶのだった。


ゴトっ…


攻撃をしかけた侍女の首が私の前に転がってきた。


「ヒッっ!」


小さく悲鳴がでた、そんなことお構い無しに近づいてくる化物。

周りにいた侍女たちもすぐに全員殺された。

残るは私1人だった。


「わっ…私は、武王国家ゲンブ ヒルダウン伯爵家 次女のアルラ・フィ・ヒルダウンよ!

無礼な平民め!跪きなさい!」


何とか言えた!

貴族としてのプラ……、


「えっ……。」


「面倒臭いのでさっさと斬りました。」


簡単にそう言う少年の顔が何故か横に見えた。

いいえ私はいつの間にか斬られていた。

私の身体が見える…あぁ…きっと私も首を斬られたのね…。


ロアスは最後の1人まで容赦なく斬り殺したのであった。


「フゥ〜!

ようやく静かになった!

良かった、良かった!」


そうこれだけの為に、そして何でもないように騎士や盗賊に侍女に貴族令嬢を斬ったのだった。


―――――――――――――――――


どうも作者のG.Gです!

いやークズな貴族像が難しいくてこんな風になりましたが、どうでしたか?

そして、ロアスは何故ここまで徹底的に斬ることに抵抗がないのか?

次回明らかになりますのでお楽しみに!


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朝8時と夜20時の2回投稿してます!

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