第8話 話を元に戻したい。

ゴッちんが神と言われる始皇種だとレンの何ともないように発言をしたが、普通に考えたら有り得ないことである。

しかもそれが自分たちの甲斐甲斐しくもお世話を何年もしていたのだ。

それも完璧たる執事としてだ。

…よく考えるとその神をトラウマ植え付けるほどボコボコにしたシンヤはどれだけ強いのだろうか?

疑問に思ったがロアスに対しては甘々なので普段からは想像出来なかった。

だけどゴッちんが神とは思えない、いつも2人にビクビクしてはいるが家事全般をこなし、手先も器用なので自分で服も作成するほとである。

それにいつも完璧だからこそ3人が家事をする事はない。

色々思考しているとレンから、


「また混乱してますね?

まぁ普段のゴッちん見ているからこそ始皇種には見えませんよね。

でもゴッちんは始皇種ではありますがまだまだ幼体なんですよ。

強さはそこら辺のモンスターには絶対負けません。

完全に力を覚醒させた始皇種はそんな次元ではないのですがね。」


(あの3m近くあるゴッちんが幼体???)


ゴッちんは強いだろうと思ってたがそんなに強いなんて、そしてそれを圧倒するシンヤはどれほど強いのかまだまだシンヤの力は未知数である。

シンヤがそこまで強いならレンもきっと強いのであろう。

実際おとぎ話になるぐらいの強さは確実にあるのだから。


「ロアス坊っちゃま、私も自分の力に自信があり。

それこそこの周辺すべてのモンスターの頂点に居ました。

………ですがそんな慢心を砕いたのが他でもないシンヤ様なのです。

自分はシンヤ様に負け自分の力に過信してはいけないと思い、自分に磨きをかけレン様から[執事に極マスター書]をお借りして読み込み執事道を見出しました!

私はこの執事道を極めることこそが生き甲斐にするべきであると!

この身を全てを捧げて尽くすべきだと考えたのです!」


いや、そうは言ったが負けたからと言って始皇種が何故執事なろうと、しかも執事道とはいったい何なんだろうか?

その考えに至ったかロアスには理解出来なかった。

………シンヤがボコボコにした時、頭の打ちどころが悪かったかもしれないとロアスはそう納得することにした。

今のゴッちんは心底嬉しそうにそして目が本気と書いてマジである。


「それでもまだまだ心も身体も未熟のせいか失敗するとシンヤ様やレン様に怒られると思い執事道より野生の勘が働き条件反射と同じように逃げてしまうのです。

本当に恥ずかしい限りでなりません。

ですが!執事道にゴールはありません!

これからも精進して参ります!」


(((暑苦しい!!)))


と、見た目も相まって暑苦しくゴッちんはこの数年で見た事ないぐらい力強く力説をするのだが、さっきまで死ぬかどうかの一世一代の覚悟や話し合いしてたのに今やシリアスな雰囲気が完全に無くなりそれこそ完全に話が逸れている。

この雰囲気でまたあの話に持って行けるのか?

ロアスは流されて完全に緊張の糸は切れているのであった。

どうにか話を元に戻したかったがゴッちんが帰ってきて完全に話題性はゴッちんになってしまってる。

それはそうだろう、何せ始皇種が居たのだ。

近くに居すぎたがゴッちんは執事と言うが間違いなく家族である。

家族が揃って嬉しいのでもう話は明日でもいいかなとロアスが思っていたら、


「それで先程は皆様で何のお話をしていたのです?

話が長引くようなら飲み物と軽食を用意しますがいかが致しますか?」


まさかのゴッちんが話を戻したのである。


「そうですね。

それならお願いしましょうか?

私はコーヒーを。」


と、レンが言えば


「俺は茶で!」


シンヤも続き、


「僕もお茶をお願い。」


ロアスも言い終えたらゴッちんは、


「かしこまりました。」


一言言うといつ出したかわからないがティーセットをすでに手元に持っていた。


「こちらレン様がお好きなブラックコーヒーの濃いめとなっております。

コーヒーは私がいつも通りブレンドした物になります。

皆さんよく見ると今日どこかお疲れになってるようなので軽食よりお茶請けに変更をし、レン様にはクッキーのジャム乗せを用意させて頂きました。」


「シンヤ様はこちら氷を少し加えた冷えたお茶になります。

こちらも私がブレンドしたお茶になります。

お茶請けはこちら黒糖羊羹を用意させて頂きました。

甘さは少し控えめにしてお茶に合うようにしてます。」


「ロアス坊っちゃまにはこちら常温にしたお茶になります。

まだ身体が出来上がってないのでカフェイン等入っていないお茶となります。

お茶請けはこちらのチーズサブレを用意させて頂きました。

食べやすいようにロアス坊っちゃまの1口ほどの大きさに焼いたものを出させて頂きました。」


1人1人の趣味趣向を捉えそれぞれ違う物を出し温度も調整して出すゴリラ執事。

このゴリラ執事、完璧である。

3人の今の気持ちや体調を正確に感じ取りそのベストの物を瞬時に出す手腕は並大抵ではない。


「それではおかわりなどあれば随時お申し付けください。」


と、綺麗にお辞儀をして締めくくり


「「「ありがとう!ゴッちん!」」」


3人はお礼を言うのである。


「いえいえ。

それではお話の続きをどうぞ。」


ゴッちんはそう言うといつもの様にロアスの横に立つのである。

2人ことがまだ怖いのか、いつもロアスの横立つのがゴッちんである

レンが話を切り出す、


「それではロアスの身体作り変えの件の話をしますか。」


「そうだな。

と言っても俺が出来るのはほとんどないんだけどな……。」


シンヤが申し訳なさそうに言うと、


「えっ?

ロアス坊っちゃまの身体作り変えをする??

どういう事でしょうか??」


寝耳に水な状態のゴッちんが今度は混乱する番になったのである。


____________


どうも作者のG.Gです!

今回ゴッちんを少し強めの回にしてます!

あともう少し幼少編が続き主人公のハチャメチャなことは第2章からの予定です!

もう少しお待ちを!


応援いつもして下さり本当にありがとうございます!

これからも頑張って書いていきます!

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