第7話 2人の英雄とそして身近な始皇種

突然のカミングアウトに頭がスパークしてしまったが今は元に戻り冷静になったロアスだが結局何から質問していいかわからず困惑は続いてはいる。

そのことを察したのかレンが話を続けた。


「ロアスにも読ませたおとぎ話の[2人の英雄と12体の神達]があるじゃないですか?

その2人の英雄が私とシンヤなんですよ。

ちなみにこれは当時の吟遊詩人たちが私たちの話を世界に広めたいと言っていたので任せてたらまさかおとぎ話にするとは思いもしませんでしたよ。」


「本当にその通りだぜ!

当時は恥ずかし過ぎて王都にも都市にも歩けなかったから旅に出たんだよなぁ。

正直ロアに読み聞かせるのはすっげぇ嫌だったけどレンが、

[歴史の勉強と一緒に戦った友たちのことを知ってもらうにはいい教材ですから。]

って言うから恥ずかしくてムズムズしてたけど頑張って読み聞かせしてたんだぜ?」


と、シンヤが話す内容も衝撃の事実である。

あの話は実話とは聞いていたがまさか2人が元になってるなんて思いもしなかった。

好きな話でよく読み聞かせをお願いしていたのをロアスだが、よくよく思い出すとレンはそうでもなかったがシンヤは読み聞かせの時どこか恥ずかしそうにしていたなぁと。

そしてレンが、


「まぁその話はおいおい話すとして今は置いときますね。」

ロアス(いやいや父様!!置いとけるような話題ではないですよーーーーー!!!!!)


と、心の中で盛大にツッコミを入れてるロアスはもう苦笑しか出来ない。

それでも話を続けるレン、


「何故先程言った身体を作り変えることにこれが必要かというと、理論を立ててる最中に確かに始皇種の力を取り込めば進化出来ると可能性があることに気づいたんです。

ですが始皇種の力はあまりにも強すぎて例え始皇石を使用しても失敗するであろうということもわかったので私はこの理論を捨て去りました。

まぁ研究していた連中は始皇種の体毛や鱗などで出来ると思ってたので悲劇を起こしたってことですがね。 」


レンの話を聞いてロアスは納得した神と呼ばれる始皇種達の力なら身体を作り変えることも可能であろうと、だが耐えきれなけば死ぬのも当たり前である。

そして話は続く、


「強すぎる力に人は耐えきれません。

だからこそ死ぬか、耐えたとしても永遠ともいえる身体の変化に苦しみ続ける。

それこそ死ねない狂えないという最悪なことしかなかったのです。

それは研究施設に居た人達が研究したからわかった事なんですがね。

ですが、もし始皇種の力に適合することが出来るのであれば存在が進化し私たちの力を使えるようになる唯一の可能性であることは間違いないのです。

……ここまで話をしましたがロアス…理解は出来ましたか?

理解したのであれば再度問います本当に死ぬかもしれません…本当にやるんですね?」


ロアスは話を聞いてリスクについて考える。

確かに方法は唯一と言ってもいいだがあまりにもリスクが高い、始皇種の力を取り込むのは失敗が当たり前という前提の話しだ。

※シンヤはこの話の最中ずっと話に入らないように徹してます。※

ロアスは決断する。


「父様話は理解出来ました。

その理論を今僕に言ったってことは何か対策があっての事ですね?

じゃなければ父様はこの方法をずっと黙ってたはずです。

なので例え可能性がほぼゼロでも2人の力が僕に使えるようになるのであればそれに掛けたいです。

昨日も言いましたが僕は2人の子供です!

絶対に2人の力を受け継いでみせます!

なのでその方法をやってください!!」


そういうロアスの顔には先程あった不安もなく完全に覚悟を決めた男の顔であった。

8歳の子とは思えない決断力にレンとシンヤは驚いたが自分たちの育てた子が成長したんだなと思い少し寂しさがあるがそれ以上に嬉しかった。


「わかりました。

では早速やりたいのですが…「ちょっと待てレン、外に気配だ。」…えぇ気配がありますね。

ですがこれは?」


レンが話をしている途中でシンヤが遮った。

ロアスはまったく気付いてはなく「えっ?」と呆けるのであった。


コン…コン…コン


と、ドアからノックが鳴る。

シンヤは立ち上がり警戒をまったくせずすぐドアを開け。


「遅ぇぞ!

どこほっつき歩いてやがった?!

それに昨日はロアスが大怪我したんだぞ!

何で止めなかった?!」


シンヤはドアを開けるなり怒鳴った。


「まぁまぁ、シンヤとりあえず中で話をしましょう。

玄関は流石に可哀想ですよ?」


そうレンが言うとシンヤはドアの前にいる者に中に入るように促した。

そして入ってきたのは、


「お2人とも申し訳ございません。

それにロアス坊っちゃま…また逃げてしまって本当にすみません。」


と、入ってすぐに謝るのは筋骨隆々で首元に蝶ネクタイ、スーツのチョッキとズボンを履いて、そして何よりも目を引くのは燃えるような真っ赤な体毛であるその人?は………ゴリラである。


「あっ!

ゴッちん!!おかえりなさい!!

あの時はごめんね…僕が魔法失敗した時怪我してなかった……?」


普通にゴリラに話しかけるロアス。

レンもシンヤもゴリラがいて普通である。


「いえ…逃げた私が悪いのです。

本当にすみません。

あの時は気が動転といいますか恐怖で頭が真っ白になったといいますか………。」


と、ゴッちんと呼ばれるゴリラが話しているとシンヤが追求した。


「気が動転と恐怖で頭が真っ白になっただぁ??

逃げていい理由にはなってねぇぞ!!

本当は何で逃げたんだ?!」


怒りをあらわにするシンヤであるが、


「……えっと……ですね。」


ゴッちんはしどろもどろになっているとレンが、


「ハァ…シンヤ逃げた理由は決まってますよ。

ゴッちんとの出会いのときボコボコにしてトラウマを植え付けたのは誰ですか?

その時のトラウマがあったから逃げたんですよ。

まぁ野生の勘ですかね?

またボコられてるとでも思って条件反射で逃げたってとこです。」


それを聞いたシンヤは、


「ゴッちんそうなのか??」


「……正直に申せばその通りです………。」


ゴッちんは冷や汗を流しながら答えた。


「全くこのやり取りは何回目になるのやら。」


「父様本当にその通りですね!」


このやり取りは毎回何かあれば逃げるゴッちんに追求するシンヤと流れが決まってるのでレンとロアスは何時ものことだなとスルーするとことにした。

だがここでレンからまたとんでも発言が出るのであった。


「あっ!

そういえばロアス、さっき言った始皇種の話ですがゴッちんって始皇種なんですよ!」


「へぇ〜そうなんですね。

…··········えっ?

ゴッちんが始皇種??

…·……………。

えェェェェェエェぇぇえェェェェ?!?!?!」


ロアスの叫びが響く。

神はすぐ近くに居たのであった。


____________


どうも作者のG.Gです!

今回登場したキャラ[ゴッちん]はチョッキスーツを着たゴリラで家事全般がプロ級な3人の執事になります!

出会った当初にシンヤにかなりボコボコにされてしまいトラウマなってるんですよね笑

出会いなどの詳しいことは別でが書きたいと思いますので新キャラ:ゴッちんよろしくお願いします┏○))ペコリ


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