第28話【決戦兵器、ジークウェスタ】

「僕がやるよ」

「大丈夫なのか‥‥? アルタイル‥‥」

「大丈夫さ。僕は負けない」

ジークウェスタは二本の剣を握った。

「僕は国防兵器だから」

そう言いながら、スラスターで飛翔したジークウェスタはホークスに斬撃を与えた。

「国防兵器………?」

「そう。この国を、ひいては世界を守る兵器。それが僕と―――このジークウェスタさ」

「アルタイル、お前…………」

「だから僕は、天災種一体に手こずるわけにはいかないんだ」

「!」

一瞬、ジークウェスタが視界から消えた。

次の瞬間黒い機体は鳥のさらに上にいて、右の剣を頭部に振り下ろした。

「コスモス式剣術―――〝ブレイクフォール〟!」

「嘘だろ…………たった二発で………災害を………倒した…………?」

アルタイル本人から学んだ授業で、天災種は国一つを簡単に滅ぼす存在であると。

「このホークスを討伐することが、ジークを出撃させる条件だったんだ」

「そ、そうですかー‥‥」

(お前の方がよっぽど災害みてーな強さしてるわ!)

「……なぁ、アルタイル」

「どうしたんだい?」

「さっきの…………剣術って」

「うん。キミに習得してもらう技だよ」

「俺が、あれを…………」

「怖いかい?」

「いや、やってみせる」

「いい返事だよ、じゃあ、やろうか」

そして俺達は剣を交える。この訓練が、全てを支える礎になることなど知らずに。

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