2024年12月5日。バナナ支離滅裂10

バナナを食べたハンターが目の色を変えた。馬鹿なこんなこんな……。と言った。よほどおいしかったのだろう。そもそもまだ僕は食べていない。ハンターからもらったバナナの味が格別すぎて特別すぎてあまり食べる気がなかったのだ。とはいえ腹は減る。だからもう少し脳内であのバナナをイメージして味わい尽くしてから飽きたら諦めがついたら食べてみようとそう思っていたのだ。しかしながらハンターのあの顔、この顔その顔をみるとどうしてか、よだれが出てきて、無性に破壊的にハンターのバナナを奪いたくなるような衝動すら覚える感じがする。それほどまでにおいしそうにハンターはバナナを食べるのだ。僕だってそんな風においしそうに食べるのをみたら食欲がいやがおうでも刺激され、食べたくなってしまうじゃないか。僕はハンターにあげたバナナを一本くれと手を出してみた。拒否された。それで僕は少しむっときた。するとハンターがすまん。お前が俺にくれたのにな。と言って一本くれた。僕はそれを食べた。今までにない幸せが舞い込んできた。いやさきほどのバナナと同様だが、あれと並ぶバナナを食した僕は再び脳内に天使が舞い降りてきたのだ。するとハンターが驚いた表情をした後僕の頭を指差した。しかし自分で自分の頭を見る事は出来ないから水たまりを探したが都合よくなかったから、きょろきょろしていたらハンターが見かねて僕に鏡を手渡してくれた。手鏡である。当然の事ながら。僕は自分の姿を視認して驚いた。僕の頭にわっかがあるのである。それは宙に浮いていた。僕は死んでしまったのか? 天使になってしまったのか? 天使ゴリラになってしまったのか? ハンターは僕に銃口を向けた。そして天使のわっかにむけて撃った。しかし弾は天使のわっかをすり抜けた。どうやら見えているのはゴリラの僕とハンターだけかもしれないし、そうでないかもしれないけれど、物理攻撃は効かないらしい。そもそもが攻撃無効化なのか、ただの飾りなのか、それとも天使ゴリラになったあかしなのかも何もかもが分からなかった。

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